横浜ゴムは11月10日、同社のタイのタイヤ生産販売子会社ヨコハマタイヤ・マニュファクチャリング・タイランド(YTMT)が、10月20日に近隣の地域リーダーや町役場の人々、小学校の先生、同社が立地する工業団地のCSR組織関係者、地域のマスコミ関係者を集めて、同社敷地内で行っている生物多様性保全活動の情報公開イベントを実施したと発表した。
これまで従業員が行ってきた生物多様性のモニタリング結果を報告したほか、今後の多様性の維持、増加に向け生物が生息しやすい環境を整えるビオトープづくりの説明と現地見学会を行った。なお、同社からは中村亨YTMT社長、横浜ゴムCSR環境推進室関係者らが出席した。
YTMTでは自社の生産活動が地域環境に及ぼす影響をモニタリングし、より良い環境作りを行っていく必要があると考え、2013年9月から生物多様性保全活動を開始した。まず、同社周辺の水質や環境状態の調査を基に活動場所を選定。森林に生息し木の実や昆虫を食べることから生態系の豊かさの指標となる鳥類、環境変化の影響を受けやすく身近な地域の自然環境の状態を知る手掛かりとなる蝶、池や湿地を好み水質状況が分かるトンボを捕獲、撮影し種類、餌、生息場所、ライフサイクルなどを調べデータベース化してきた。このデータから工場内の生物多様性を把握し、さらに多様性を維持・増加させる方法を考え、今後のビオトープづくりに活かしていく。ビオトープは2016年2月に完成予定で、モニタリングを継続しながら近隣の方々に学習・交流の場としても利用してもらう。
同社は中期経営計画「グランドデザイン100」の基本方針に「トップレベルの環境貢献企業になる」ことを掲げており、2017年までに国内外の全生産拠点に50万本の植樹を目指す「YOKOHAMA千年の杜プロジェクト」などを2007年から開始している。YTMTでは2008年から植樹を開始し、これまで敷地内に6万6296本の植樹を行うなど積極的に環境保護活動を行っている。また、カオヤイ国立公園に生息する野生動物の保護を目的に「ソルト・アース・メイキング(塩土作り)」などを実施している。