日本ゼオン CNT量産工場で竣工式

2015年11月16日

ゴムタイムス社

 日本ゼオンは11月11日、同社徳山工場(山口県周南市)の敷地内に建設された単層カーボンナノチューブ(CNT)量産工場の竣工式を開催した。竣工式には古河直純代表取締役会長など関係者が出席。神事で今後の安全と順調な運転を祈願した後、テープカットセレモニーや起動式が行われた。スーパーグロース(SG)法を用いた単層CNTの量産工場は世界初。古河会長は「高品質なCNTを安定供給するできるように努め、新しい産業創出の推進力になりたい」と話した。

 竣工式前に行われた記者会見には、日本ゼオンから古河直純代表取締役会長はじめ、荒川公平特別経営技監、NEDOからは佐藤嘉晃理事、産業技術総合研究所から飯島澄男名誉フェロー、畠賢治ナノチューブ実用化研究センター長らが出席した。

 会見で荒川氏は、今回の量産化には04年11月に産総研が発見した単層CNTの量産法であるSG法の技術貢献が大きいと説明した。

 SG法はステンレス系鋼板シートの表面に鉄系微粒子を塗布し、この鉄系微粒子の触媒の上に水素系のガスを流すと単層CNTが上に向かって成長する製造法。これにより、10分の成長時間で2・5ミリの高さの垂直配向単層CNT構造体が生成可能となる。従来合成法より、高さで500倍、1000倍の成長効率を維持するため、製造コストの大幅な削減が実現した。

 SG法により製造された単層CNTは、軽量で引っ張り強度が高く、高純度で大表面積、熱伝導率が高いといった特長があり、高性能キャパシタ、高機能ゴム材料、高熱導電材料などの新機能性材料やデバイスへ応用が期待できる。

 まずは、同社が強みを持つゴムとの複合製品や自動車向けのキャパシタに使用できるように研究を進める。荒川氏は「自動車向けキャ

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