2015年ゴム業界の10大ニュース詳報 海外売上比率が上昇

2015年12月14日

ゴムタイムス社

 ▼上場ゴム企業の9割が増収に
 合成ゴム大手2社(JSR・日本ゼオン)を含む主要上場ゴム企業23社の15年3月期連結決算は、21社が増収(91%)となった。
 ただ、利益面では営業増益が10社、同減益13社、経常増益10社、同減益13社となり、前期の営業増益21社、経常増益20社に比べ半減となった。増収増益企業数は10社(44%)で、前期の18社(78%)から大きく後退した。
 14年度の業界全体の動向としては、上期は消費増税前の駆け込み需要の反動により、一部の建築・土木分野を除くと国内市場は低調だった。
 下期も、震災復興需要や東京オリンピック関連の建築・土木分野は好調だったものの、自動車の生産台数が6月以降、9ヵ月連続で前年実績を下回るなど、アベノミクスの効果が鮮明に表れることはなく、ゴム業界をめぐる環境は厳しい状況が続いた。
 一方、海外は米国経済が堅調で自動車生産台数が伸びたことや、不安定ながらも中国市場が成長を維持したこと、さらには円安が輸出企業にとって追い風となった。ただ、原料メーカーにとっては、海外市況の悪化が業績に少なからず影響を与えている。

 ▼住友ゴムがグッドイヤーとの提携解消に合意
 住友ゴム工業が6月4日に開催した緊急記者会見で、米グッドイヤー社とのアライアンス契約と合弁事業の解消について合意に達したと発表した。
 北米JVと日本のダンロップ、グッドイヤーブランドの新車用タイヤ販売会社「ダンロップグッドイヤータイヤ」は住友ゴムが、欧州JVと日本の市販用グッドイヤーブランドの販売会社「日本グッドイヤー」はグッドイヤー社が買い取り、共同購買・技術交流の共同開発JVは解散することで合意した。
 住友ゴムにとっては、新たに取得した北米のタイヤ生産拠点での開発や製造が自由になることから、より柔軟で積極的な事業展開が可能となった。

 ▼東洋ゴムの免震・防振ゴムで不正が発覚
 東洋ゴム工業は3月13日、子会社の東洋ゴム化工品が製造・販売した「高減衰ゴム系積層ゴム支承」の一部が大臣認定の仕様に適合していないことが判明したと発表した。
 その後の調査で、建築基準法で定めた国土交通大臣認定の性能評価基準に適合しないゴム支承が使われている建築物は、合計145棟に上ることが明らかになった。
 また、一般産業用防振ゴム部品に関しても、

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