【新春トップインタビュー】日本ゴム協会 中瀬古広三郎会長

2016年01月01日

ゴムタイムス社

 日本ゴム協会は10月に北九州で「国際ゴム技術会議(IRC)」を開催する。中瀬古広三郎会長は、これを機に国際交流を活発化する考えを示すとともに、16年に取り組むテーマとして、会員の増加や中小企業への支援などを挙げている。

 

 ◆15年を振り返って
 正会員としての個人会員が、下げ止まりつつあるとはいえ、減少傾向が続いているのに対し、企業にメンバーになってもらっている賛助会員は増えている、という傾向は変わらなかった。
 協会自身の問題としては、会員へのサービスがマッチしていないのかもしれないという反省がある。一方で、ゴム産業は世界的に勝ち組なので企業に余裕があり、企業内にノウハウ・技術が蓄積されているため、わざわざ中堅・若手の技術者が個人で会費を払って、自己研鑽のために入会する必要性を感じていないのかもしれない。

 ◆それに対する施策は
 個人会員への対策はすでにかなり講じている。メルマガを配信したり、顕彰制度を設けたり、個人会員専用の各種資料閲覧サービスなど提供しているが、功を奏しているとは言えないのが現状だ。
 ただ、我々には国際的に通用する英語版の「e―journal」があり、最初から英語で書いてここに載せれば、手間もかからずにインターナショナルに発信できることになるため、論文を発表する価値が高まるというメリットがある。
 16年は論文投稿を活性化するための何らかの仕組みづくりを行い、こうしたことを通じて個人会員の増加につながればと考えている。
 一方、賛助会員が増えているのは研究分科会の成功もある。そのいい例が、3~4年前に九州大学の西村先生の発案でつくった水素機器用エラストマー材料についての分科会だ。
 製品に関する分科会はこれが初めてだが、ゴムとは直接関係ない企業も含め参加者数が非常に増えており、これも一つの方向性かと思っている。
 これまでゴム研究は化学的なことが中心だった。しかし、製品になれば摩擦や摩耗が重要になってくるし、加工に当たってはゴムの

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