ブリヂストンは12月25日、同社の完全子会社であるブリヂストン・アメリカス・インク(以下、BSA)と米国大手自動車用品小売チェーンのザ・ペップ・ボーイズ―マニー、モー・アンド・ジャック(以下、ペップ・ボーイズ社)は、12月24日(米国現地時間)に、BSAの完全子会社であるブリヂストン・リテール・オペレーションズ・エルエルシー(以下、BSRO)とペップ・ボーイズ社が10月26日(米国現地時間)に締結した買収に関する契約の内容改定を完了したと発表した。
これにより、BSROはペップ・ボーイズ社の株式公開買付け価格を1株当たり現金15・50ドルから1株当たり現金17・00ドル、株式買収総額で約9億4700万ドル(約1136億円)に上げたことになる。同価格引き上げは、ペップ・ボーイズ社の取締役会が、BSROの提案よりも優れていると判断した第三者の競合提案に対応するために行ったもの。
改定後の買付け価格1株当たり現金17・00ドルにより、ペップ・ボーイズ社の株主は、現金で約8400万ドル(約100億8000万円)の追加提案を受けたことになる。
ペップ・ボーイズ社の取締役会は、同社の株主に対して、全会一致でBSROによる株式公開買付けに応じるよう引き続き推奨している。またペップ・ボーイズ社は、同社の取締役会がアイカーン・エンタープライズ・エル・ピーより受領した提案について、もはや優位性はないと発表している。
今回の株式公開買付けは法律に基づき延長されることとなり、今後更なる延長がない限り、2016年1月13日水曜日の午前0時00分(米国ニューヨーク時間)に完了する予定。また、今回の買収に関する契約の改定により、最終的に第三者の提案を優れていると判断した場合など一定の状況下で契約が終了した場合にペップ・ボーイズ社からBSROへ支払われる違約金を3500万ドル(約42億円)から39・500万ドル(約47億4000万円)へと修正した。
BSROは、「ファイアストン・コンプリート・オートケア」などのブランドで、全米に2200店舗以上の自動車タイヤ販売、自動車整備・補修及び自動車用品を販売する小売店を運営している。また、BSROの直営小売店とブリヂストン系列販売代理店を含めると、同社グループは全米で5000店舗以上の小売店網を構築しており、今回のペップ・ボーイズ社買収はBSROが運営する小売店網の拡大だけではなく、同社グループのグローバル全体での成長を加速させることになる。同社は、米国自動車アフターマーケット市場において、同社グループとペップ・ボーイズ社の両社が持つ伝統や蓄積された専門知識を統合することで、単なる規模の大きさだけではない、より顧客のニーズに応えるタイヤ・自動車関連サービスの小売店網を構築できるとしている。