昨年はインバウンド需要の急増が話題となった。日本政府観光局がまとめた15年1~11月の累計訪日外客数(推計値)は1796万人に達し、過去最高を記録した。銀座や秋葉原、あるいは京都、大阪、福岡などで外国人観光客の急増を実感した人も多いだろう。
そのインバウンド需要の恩恵に預かれていないのが東北地方だ。危機感を抱いた東北の経済界では、様々な振興策が検討されている。その一つにクルーズ船(外航)の招致があるという。
世界のクルーズ人口は、アジアで急成長しており、2020年には欧州に匹敵する規模になるとも言われている。ただ、東北における外航船の寄港地は秋田港と青森港のみで、利用回数は2トップの横浜港、博多港に大きく水をあけられている。
クルーズ船の1回の停泊における消費額は、1人あたり約4万円とも言われ、億単位の経済効果が見込まれる。さらに、クルーズ船は宿も兼ねているため、インバウンド増加に伴う客室不足の有効な対策にもなるというのだ。
しかし、大都市・仙台に近い仙台塩釜港にクルーズ船を呼ぶには、