東洋ゴム工業は12月25日、一般産業用防振ゴム部品の不実記載問題で、納入先や品番などの納入実態を最終的に修正して確定したと発表した。
また、外部弁護士を含む社内調査チームがまとめた、事実経緯の確認と原因究明に関する調査報告書を、同日開催の取締役会で正式に受領するとともに、国土交通省と経済産業省に納入実態の修正報告と調査報告書を提出したことも明らかにした。
一般産業用防振ゴム部品のうち、不実記載が行われた検査成績書を交付して出荷した製品・納入者数は、記録の存在する99年以降、83品番で4万7330個、19社となった。
10月30日に公表した情報に比べ納入先で5社、製品数で672個増えた。
新たに判明した納入先は、鉄道用「ボルスタアンカ緩衝ゴム」で3社、鉄道用「落とし窓受ゴム」で2社。販売実績のある品番のうち、顧客に検査成績表を交付している品番を抽出し、検査実績や担当者へのヒアリングなどから品番や個数、期間を特定した。
特定できた検査成績交付先である代理店や納入先に品番・個数の情報提供を行い、最終使用者情報と照合したところ、契約上、検査成績書の交付を要求していない納入先に問題製品が納入されていることが判明した。
製品については、新たに分かった672個のうち、72個は鉄道用ボルスタアンカ緩衝ゴム、600個は鉄道用「レール間隔材」だった。
ボルスタアンカ緩衝ゴムに関しては、新たに判明した納入先3社への納入製品を再精査した結果、3社のうち2社に納入した製品の中で、規格外れの製品72個を確認した。
レール間隔材では、10月3日以降、13~15年に製品を納めた納入先に製品情報を提供したところ、数量が少ないとの指摘を受けた。調査の結果、13年以前は同一製品で別の品番設定となっていたため、08年以降に納入した600個が計上されていなかったことが分かった。
同社では、これら不正対象製品を含めた全製品で製品検査が行われていたこと、通常の工程内検査が実施されゴム配合は適正だったこと、第三者機関などによるゴム材料の再現性試験により、83品番のうち78品番で性能規格を満たすことを確認した。
また、各種の要求規格から外れた5品番についても、常時求められる強度などの性能は規格内であり、通常の使われ方・用途では、現時点では一定程度の所要性能の保持が期待できることが判明した。
このため、同社では日常点検を行っていくことで、これらの製品は継続して使用できると考えており、今後は調査結果を納入先や最終事業者に説明するとともに、代替品の提供・点検・交換などについては顧客の意向に沿った対応を進めていく方針だ。