デンカ 千葉工場に蒸気供給受けコスト低減

2016年02月08日

ゴムタイムス社

 デンカは2月5日、千葉工場において、ユーティリティの最適化による競争力の強化を図ると発表した。

 これは、丸善石油化学コンビナートにおける、石油精製、エチレンセンター、誘導品メーカー各社のより高度な連携による競争力強化を目指す施策の一つ。

 同社千葉工場では、スチレンモノマー、スチレン系特殊機能樹脂、樹脂加工製品生産プラントに向けて、2基のボイラーより蒸気と電力を供給しているが、その需給バランスの最適化検討を行った結果、6月の定期修理時において、ボイラー1基とその発電システムを休止することとし、もう1基のボイラーである高効率のガスタービン発電システムから蒸気と電力を各プラントへ供給するとともに、不足する蒸気について、エチレンセンターである丸善石油化学千葉工場から供給を受けることで、同社との合意に至った。

 同社はこれにより、蒸気コスト低減とボイラー維持更新投資や修理費の削減等で、約3億円/年のコストダウンを見込んでいる。一方、丸善石油化学においては、同社に安定的に蒸気を供給することにより、エチレンプラントから発生する副生燃料を有効に活用できることとなる。

 同社は今後も、コンビナート内各社との連携強化を通じた、コンビナート全体の競争力強化を図るとともに、CO2の総排出量の削減も進めていくとしている。

 同社では、経営計画「Denka100」で掲げる成長戦略において、国内工場を内需製品および高機能品生産に特化するなどの施策を進める「生産体制の最適化」と、生産プロセス、収率、原材料、修繕などあらゆるコスト項目を、過去の慣習に囚われずに見直して、既存製品の競争力を強化する「徹底したコストの総点検」を推進している。同社の千葉工場は国内最大の需要地である関東圏に位置しており、今後も立地の優位性を生かしながら、より一層の事業基盤の強化を図っていく方針。

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