オカモトの2016年3月期第3四半期連結決算は、売上高が663億6500万円で前年同期比9・6%増、営業利益は67億8200万円で同80・4%増、経常利益は84億7700万円で同69・3%増、親会社株主に帰属する四半期純利益は63億4400万円で同92・9%増の増収増益となった。
経常利益には、昨年2月に資本業務提携をした理研コランダムの株式を、第1四半期連結会計期間に追加取得したことで、新たに持分法適用会社となったことから「持分法による投資利益」が計上されている。
セグメント別では「産業用製品」のうち一般用・工業用フイルムは、従来品の市況が低調の中、特注品の取り込みを行うことにより売上が横這い。建材工業用フイルムは車輌用・鋼板用の受注が好調で、売上が大幅増。多層フイルムは食品用が低調で、売上微減となった。
ポリプロピレンシートは印刷用・雑貨用で市況が好調に推移し、売上増。農業用フイルムは市場全体で張替え需要が減少したことと、流通在庫調整の影響で売上減となった。
壁紙は、受注は好調だったが、在庫調整と工期遅れにより、売上は横這い。フレキシブルコンテナーは、ランニング用の需要が堅調に推移したものの、ワンウェイ用の需要が減少し売上減となった。
自動車内装材は、国内や中国などのアジア向けが低調だったが、新規採用車種の北米向けが好調で、売上が大幅に増加した。
粘着テープは店頭販売向け製品に加え、通信販売向け製品の一部が好調で、売上増。工業用テープは、住宅向け・車輌向けの受注は堅調だったが、スマートフォン関連向けの在庫調整の長期化などより、売上が減少した。
食品衛生用品は業務用ラップが好調だったものの、その他製品が低調で、売上横這い。食品用吸水・脱水シート(ピチット製品)は、水産加工向けが低調だったが、飲食店向けが好調で売上増となった。
以上の結果から、産業製品の売上高は399億7900万円で同12・8%増、セグメント利益は38億3900万円で同97・2%増となった。
「生活用品」のうち、コンドームは「オカモトゼロワン」が引き続き好調、その他の薄型商品の販売も好調で、売上が大幅増。浣腸は、市場は縮小傾向にあるものの、広告宣伝などの販促活動を積極的に行うことで補い、売上は横這いとなった。
除湿剤は秋雨や結露対策としての販促企画が奏功し、売上が大幅増。カイロは、暖冬の影響により市場全体に勢いがなく、売上減となった。
手袋は医療用・家庭用での受注が減少し、売上減。メディカル製品は、主要な滅菌器が第2四半期からの反動で受注が伸び悩み、全体として売上減となった。
ブーツは、全国的に降水量・降雪量ともに少なく、市場全体の落ち込みにより売上減。雨衣は、道路交通法改正による自転車用途での新たな需要などで売上増。シューズは同業他社との競争が激化しており、売上減となった。
これらの結果、生活用品の売上高は262億1600万円で同4・8%増、セグメント利益は38億8200万円で同44・5%増となった。
物流受託事業・太陽光発電事業の「その他事業」の売上高(振替前)は27億3600万円で同1・4%増、セグメント利益は1億4500万円で同期4・2%減となった。
通期の連結業績予想については、第2四半期で上方修正した数値をさらに上方修正。売上高は860億円で前期比6・3%増(前回予想比1・8%増)、営業利益は73億円で同60・0%増(同21・7%増)、経常利益は88億円で同46・2%増(同17・3%増)、当期純利益は50億円で同73・6%増(同11・1%増)を見込んでいる。