デンカの4~12月期 過去最高益を更新 円安などが収益拡大に寄与

2016年02月08日

ゴムタイムス社

 デンカの2016年3月期第3四半期連結決算は、売上高は2774億5900万円で前年同期比3・9%減、営業利益は233億6200万円で同34・3%増、経常利益は217億3000万円で同18・3%増、親会社株主に帰属する四半期純利益は158億6400万円で同14・5%増と、それぞれ第3四半期連結累計期間として過去最高益となった。

 収益面では、円安による輸出製品の手取り増加や、原燃料価格の下落による樹脂・加工製品の採算改善などが収益拡大に寄与した。

 エラストマー・機能樹脂部門の売上高は、1165億8900万円で同6・8%減となった。クロロプレンゴムは円安による手取り増加はあったが、販売数量は前年を下回り減収。スチレンモノマーや、デンカシンガポール社のポリスチレン樹脂などの販売は順調に推移したが、原材料価格の下落に伴い販売価格が下落し減収となった。

 インフラ・無機材料部門の売上高は、364億8900万円で同2・4%増。特殊混和材は国内外で販売数量が増加し増収となったが、セメントの国内販売や肥料は、販売数量が減少し減収となった。

 電子・先端プロダクツ部門の売上高は、337億1000万円で同5・3%減となった。LED用サイアロン蛍光体「アロンプライト」は販売数量が増加し増収となったが、電子回路基板や電子部品・半導体搬送資材用の機能フィルムは販売数量が減少し減収となった。

 生活・環境プロダクツ部門の売上高は605億6700万円で同1・8%減となった。合繊かつら用原糸「トヨカロン」は販売数量増と、円安による手取り増加で増収。食品包材用シートやデンカポリマーの加工品の販売も順調に推移したが、プラスチック雨どいや工業用テープは販売数量が蹴少し減収となった。医薬品では、デンカ生研のインフルエンザワクチンは増収となり、試薬の販売は前年同期並みとなった。

 その他部門の売上高は301億200万円で同2・6%の減収。アクロス商事等の商社は取扱量が前年同期並みとなった。

 通期の連結業績予想は当初見通しから変更なく、売上高が3750億円で前期比2・3%減、営業利益は300億円で同24・8%増、経常利益は270億円で同11・2%増、親会社株式に帰属する純利益は190億円で同0・1%減を見込んでいる。

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