朝日ラバーの2016年3月期第3四半期連結決算は、売上高は43億7000万円で前年同期比3・9%減、営業利益は1億2100万円で同13・8%増、経常利益は1億2100万円で同3・5%増、親会社株主に帰属する四半期純利益は8600万円で同48・9%減となった。
売上高は顧客の在庫調整の影響などにより減収となった。利益面では販売減の影響があったものの、前年同期に役員退職慰労引当金繰入額の計上があったことから、営業・経常利益ともに増益。純利益は前年同期に受取保険金の計上があった関係で、減益となった。
セグメント別では、工業用ゴム事業は、自動車関連製品でアサカラーLEDの受注が第1四半期までは自動車メーカーの販売・生産計画調整の影響を受け減少していたが、第2四半期以降には販売単価は下落傾向であるものの、海外向けの受注量が増加した。
一方、機能製品であるRFIDタグ用ゴム製品は、海外向けの受注が新機種対応で在庫調整が続いていることから大きく減少。
スポーツ用ゴム製品である卓球ラケット用ラバーの受注についても、第3四半期に入り回復基調にはあるが、第2四半期までの顧客在庫調整による影響で減少した。
また、マイクロ流体デバイス関連の受注は前年同期比微増となった。
この結果、工業用ゴム事業の連結売上高は35億6200万円で同2・9%減、セグメント利益は1億9900万円で同44・6%減となった。
医療・衛生用ゴム事業では、プレフィルドシリンジガスケットと、採血用・薬液混注用ゴム栓を販売している一部顧客の生産調整の影響により、売上高が減少した。
一方、前年同期は一部の製品で品質管理に関するコスト増などがあった関係で、今期は営業費用が大幅に減少した。
これにより、医療・衛生用ゴム事業の連結売上高は8億800万円で同8・0%減、セグメント利益は8300万円で同47・6%増となった。
通期の連結業績予想については、当初見通しを下方修正した前回公表(11月9日)値から、さらに下方修正した。売上高は58億7000万円で前期比3・1%減(前回公表値比3・9%減)、営業利益が2億円で同74・4%増(同31・3%減)、経常利益が2億円で同63・6%増(同27・8%減)、親会社株主に帰属する純利益が1億4000万円で同57・4%減(同25・5%減)を見込んでいる。
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