クリヤマホールディングスの2015年12月期連結決算は、売上高が456億4200万円で前年同期比14・0%増、営業利益は29億6500万円で同33・1%増、経常利益は34億4300万円で同26・4%増、当期純利益は24億4900万円で同39・6%増となり、営業利益、経常利益、当期純利益共に最高益を更新した。
北米事業では、飲料用ホースや住宅関連ホース等、付加価値の高いホースの売上が堅調に推移したが、原油価格の下落に伴いシェール・オイル&ガス市場や農業市場向けホース販売が低迷し、現地通貨ベースでの売上高は前年同期比6・9%減となった。しかしながら為替円安が寄与し、売上高は224億6400万円で同5・8%増、営業利益は18億4100万円で同5・5%増となった。
産業資材事業では、大手建機顧客の減産に伴い売上低迷が続いていたが、その他小型建機及び、農機向けの販売は堅調に推移した他、建機・農機向けの排出ガス規制に対応する尿素SCRモジュールタンクの本格的な納入が始まり業績に大きく貢献した。また、昨年まで低迷していた国内既存発電所のメンテナンス需要回復により、売上高は92億4800万円で同14・2%増となったが、2015年9月にサンエーを連結子会社化したことに伴い発生したのれんの償却等の影響により、営業利益は6億4600万円で同10・8%減となった。
建設資材事業では、鉄道施設向けで使用される「ECOセンタン」(ノンスリップ形状のホーム先端用タイル)や、「スキマモール」(列車とホームの隙間緩衝材)等の環境及び安全性に配慮した製品、商業施設等で使用される「スーパー・マテリアルズ」(セラミックタイル)等、同社オリジナルブランド製品の販売が堅調に推移したことから、売上高は75億2300万円で同7・7%増となったが、為替円安に伴い中国からの資材調達価格が上昇したため、営業利益は2億1500万円で同25・1%減)となった。
スポーツ施設資材事業では、2020年東京オリンピック・パラリンピック開催決定に伴い、過去オリンピック大会にて採用実績が多い「スーパーX」(全天候型舗装材:国際陸上競技連盟認証品)や「タラフレックス」(弾性スポーツ床材:国際バレーボール/ハンドボール/テニス/卓球連盟認証品)等、同社取扱い商品に注目が集まり大型物件の受注を牽引した。また、競技時の安全性や災害時の避難所的役割となる床材としてタラフレックスに注目が向けられた事も業績を大きく押し上げた結果、売上高は25億2300万円で同45・1%増となった。利益面では工事採算性が改善した結果、営業利益は3億9000万円で同136・8%増となった。
欧州事業では、原油価格下落に伴い、米国シェール・オイル&ガス市場向け大口径・長尺ホースの輸出販売の低迷や、農業や鉱山採掘市場向け販売が低迷した。しかし、中東地域の石油業界からの大型受注や、消防市場向けホース販売が好調に推移したことから、売上高は20億1200万円となり、営業利益は3億8200万円となった。
その他の中国事業においては、建機顧客の減産に伴う影響から、建機顧客向け量産機械用部品の販売が減少したが、ビジネスホテル事業においては、訪日外国人旅行客数の増加や、インターネット予約販売が好調だったことから、売上高は18億7100万円で同6・3%減となり、営業利益は2億1300万円で同38・8%増となった。
2016年12月期通期の連結業績予想は、売上高が490億円で前期比7・4%増、営業利益が26億円で同12・3%減、経常利益が29億円で同15・8%減、親会社株式に帰属する純利益が20億円で同18・4%減を見込んでいる。
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