昭和HDの4~12月期 営業利益が5倍超える

2016年02月16日

ゴムタイムス社

 昭和ホールディングスの2016年3月期第3四半期連結決算は、売上高は91億4319万円で前年同期比17・8%増、営業利益が14億4385万円で同483・1%増、経常利益は17億4031万円で同716・8%増、親会社株主に帰属する四半期純利益が1億3802万円(前年同期は四半期純損失6520万円)となった。

 Digital Finance事業は同第3四半期連結累計期間より、従来の「ファイナンス事業」からセグメント名称の変更をしている。同事業の当第3四半期連結累計期間における業績は、増収増益。ここ数年にわたって行った事業拡大のための投資活動が成果を着実にあげており、現在においても中長期的な成長に向けての投資を継続しつつも利益が拡大したもの。タイ王国、カンボジア王国並びに2015年5月に開始したラオス人民民主共和国での営業活動、並びに供給者への市場開発サービスとファイナンスという新しい商品の増加の結果として営業貸付金が過去最大となり、これに伴い売上高は過去最高額を計上した。特にラオス人民民主共和国においては創業以来7ヵ月だが急速に営業エリアを拡大しており、一気にオートバイファイナンス契約台数で市場にトップに躍り出たと推測され、営業貸付金が拡大するだけでなく、同社グループ独自のDigital Financeシステムが効果を発揮して短期間で利益化を果たし、これらにより大幅な利益増を実現した。これらの諸活動の結果、売上高は63億7027万円で同30・3%増、セグメント利益が17億4352万円で同265・5%増となった。

 スポーツ事業の同第3四半期連結累計期間における業績は減収増益。ソフトテニスボール「アカエム」においては、厳しい競争環境にあったが、コミュニティ力および品質性を訴求した諸活動により前年実績を上回ることができた。また、ルーセントブランドウェア類の販売ならびにルーセントテニスクラブの運営においても、独自の魅力ある製品やサービスを生かし着実に成果を上げ、安定した収益確保をとげている。一方、前四半期に好調であった工事部門においては、きめ細かい対応に努め仕入先との親密度を深めたが、新たな案件獲得には繋がらず低調に推移し収益貢献には至らなかった。これらの諸活動の結果、同第3四半期累計期間における売上高は10億3439万円で同5・5%減となり、セグメント利益は1億7926万円で同7・0%増となった。

 コンテンツ事業は減収減益となった。これは同第3四半期連結累計期間において、日本事業の強化、並びにアジア事業の開始など中長期的な成長に向けての投資的活動を強化したこと等によるもの。同事業は、主にトレーディングカードゲーム制作やエンターテインメント関連の書籍及び電子書籍の制作、音楽及び関連商品の製作を行っており、様々なコンテンツを商品・イベント化する企画制作・編集・制作に独自性を持ち展開している。同第3四半期連結累計期間は売上高については、カードゲームのロイヤリティ収入が増加するなど堅調に推移した。一方、日本及びタイ王国において中長期的成長に向けた投資活動を強化したことによる費用増があり減益となった。これらの諸活動の結果、売上高は3億8670万円で同11・4%減、セグメント利益は3945万円で同52・9%減となった。

 ゴム事業は同社の創業以来の事業であり、同社連結子会社である昭和ゴムならびにマレーシア連結子会社のショウワラバー(マレーシア)が営む、ゴムの配合・加工技術に独自性を持つ事業。同グループの中で、同事業は日本のマクロ経済の推移と連動した売上推移を見せる事業であり、官民の設備投資の低迷が続いており、前期同様、厳しい状況が継続している。この様な状況の中、同第3四半期累計期間における売上高は12億2895万円で同2・2%減となり、セグメント損失は5559万円(前年同期はセグメント損失4924万円)となった。

 通期の連結業績予想については、全ての項目で上方修正し、売上高は122億円で前期比13・1%増、営業利益は21億円で同211・4%増、経常利益は24億円で同277・5%増、親会社株主に帰属する純利益は1億5000万円で同62・9%増を見込んでいる。

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