取材メモ 「未来のオザワ」育てるランクセス

2016年03月24日

ゴムタイムス社

 世界的指揮者・小澤征爾氏の指揮による歌劇「こどもと魔法」を収録したアルバム「ラヴェル歌劇〈こどもと魔法〉」が、米国音楽界で最大の栄誉である第58回グラミー賞(最優秀オペラ録音部門)を受賞したニュースは記憶に新しい。

 原料メーカーのランクセスは2011年より、小澤氏が理事長を務めるNPO法人「小澤国際室内楽アカデミー奥志賀」の活動を支援してきた。

 同アカデミーには毎年、日本をはじめ、アジア・大洋州の有望な若手音楽家が参加。長野県奥志賀で小澤氏らによる講習を受けた後、その成果を都内において開かれる演奏会で披露している。伸び盛りの若手による熱のこもった演奏により、会場はいつも大きな感動に包まれる。

 小澤氏のグラミー受賞作は、2013年夏に長野県松本市で開かれた「サイトウ・キネン・フェスティバル松本」で収録されたものだ。同フェスティバルでは、並行して教育プログラムも行われる。その一環として、県内の中学生を招待した「青少年のためのオペラ」が開催されたが、同じ13年度の公演に単独スポンサーとして協賛したのもランクセスだった。

 未来を見据えて、若き才能を育てる活動を支援することは、メーカーに「素材」を提供する同社にとって、ふさわしい活動に見える。

 受賞した「子どもと魔法」は、小澤氏がパリのオペラ座でデビューした時に指揮したオペラだという。世界的巨匠にも、希望に胸躍らす若手時代があっただろう。同社が支援する活動から「未来のオザワ」が生まれ、世界に羽ばたくことを期待したい。

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