独ランクセスは3月18日、2015年度の業績を発表した。
事業再構築プログラムにおけるコスト削減、米ドル高、販売量の増加が主な要因となり、特別項目調整前EBITDAは前年比9・5%増の8億8500万ユーロとなった。前回発表時の通年業績予測範囲値である、8億6000万ユーロから9億ユーロ内を達成した。全3部門が業績向上に寄与している。
同社グループの特別項目調整前EBITDAマージンは11・2%(前年は10・1%)に増加。純利益は1億6500万ユーロ(前年は4700万ユーロ)と大幅に増加し、連結売上高は79億ユーロ(前年は80億ユーロ)となり、前年比でほぼ横ばいとなった。原料価格の低下に伴う製品売価の値下げ分は、為替の影響によってほぼ相殺された。
純金融負債は業績の向上、設備投資額の減額、運転資本のさらなる減少によって、前年比1億2500万ユーロ減の12億ユーロと大幅に減少。純金融負債はこの2年間で約30%減少した。15年度の設備投資額は、前年比約3分の1減の4億3400万ユーロ(前年は6億1400万ユーロ)。今年度の設備投資額は、約4億5000万ユーロを予定している。
なお、関連各国の独占禁止法規制当局から、事業移管に関して予想以上に早い承認を得たことにより、同社とサウジアラムコ社による合成ゴムの合弁会社である「アランセオ」は、4月1日付けで設立されることになった。
合弁会社設立に伴い、今年度第2四半期から同社の財務報告構成が変わり、パフォーマンスポリマーズ部門は、タイヤ&スペシャリティーラバーズとハイパフォーマンスエラストマーズの2ビジネスユニットから構成されるアランセオと、ハイパフォーマンスマテリアルズビジネスユニットから成る新体制となる。アドバンスト中間体部門とパフォーマンスケミカルズ部門は、現体制を維持する。
同社は、中規模の市場と、北米、中国、東南アジアの成長地域への注力を基本的な考え方として、事業を推進していく方針。今後数年間で、同社は合弁会社設立によるサウジアラムコ社からの出資金額約12億ユーロのうち、有機的成長に約4億ユーロを投資する予定。
また、自社株買い戻しに約2億ユーロ、金融負債削減に約4億ユーロを活用する予定としている。