1986年に日本ゴム協会の外郭団体として設立されたゴム技術フォーラムは、わが国ゴム産業の発展をめざし産学のゴム関係技術者や学識経験者らが、技術開発・生産に重点を置き自主啓発的な勉強会・調査報告活動を行ってる。特に、調査報告は設立後14の報告をしてきた。テーマは時代を反映しゴム業界の課題を先取りし多岐にわたっている。 今回のテーマは「ゴム・エラストマーと資源・エネルギー」である。 近年新興国の経済発展により、エネルギー需要が増大し、石油・ガスなどの資源調達が大きな課題となってきた。一方で米国におけるシェールオイル・ガスという新たな資源の創出により、原油・ガスの調達手段が拡大している。 また、先進国では地球環境への負荷低減への取組みとして、再生可能エネルギーへの依存度が増している。風力発電・太陽光発電の重要性は高まっている。 これらの動きに対し、ゴム製品やゴム産業の役割および期待は増大していると考える。 調査委員会では、これらの状況を踏まえ、多岐にわたる商品や技術を整理するとともに、今後の技術開発課題をまとめた。
- 判型:B5判210頁
- 価格:本体3800円+税
- 送料:350円+税
- 発売日:2016年3月18日
- 著者:ゴム技術フォーラム編
- 発売元:ゴムタイムス社
- ISBN:9784908565021
目次:
まえがき
第1編 特別寄稿
特別寄稿(1)
環境・エネルギーに関わる自動車技術の現状と将来展望
1. はじめに
2. エンジン車の技術進化
2. 1 ガソリン車
2. 2 ハイブリッド車
3. 新エネルギー車の開発と実用化
3. 1 EV
3. 2 PHV技術
3. 3 FCV
3. 4 エネルギー消費量、CO2排出量の比較
4. 将来展望
4. 1 車両技術の開発
4. 2 再生可能エネルギーとの連携
4. 3 将来モビリティ
4. 4 まとめ
特別寄稿(2)
リチウムイオン電池の進化を支える材料技術
1. はじめに
2.水系バインダーの電池特性と安全性
2.1 負極用バインダー
2.2 正極用バインダー
3. ゴム系材料を用いた硫黄系正極の開発
4. おわりに
第2編 調査委員会報告
第1章 総論
1. はじめに
2. テーマ「ゴム・エラストマーと資源・エネルギー」
3. 委員会の構成
4. おわりに
第2章 ゴム・エラストマーと新資源
1. はじめに
1. 1 調査の範囲
2. 天然ゴム(NR)の品種改良・分子育種・病害診断
2. 1 品種改良・分子育種の取り組み
2. 2 病害診断技術
3. バイオマス由来ゴム
3. 1 グアユール
3. 2 ロシアンタンポポ
3. 3 トチュウ
4. バイオプラスチック
4. 1 生分解性プラスチック
4. 2 ポリ乳酸(PLA)
4. 2. 1 結晶化技術
4. 2. 2 末端官能基化技術
4. 2. 3 難燃性の向上
4. 2. 4 PLAの特性を生かした用途
4. 3 バイオマスプラスチック
4. 4 ポリエチレンテレフタレート(PET)
4. 4. 1. バイオテレフタル酸の製造法
4. 5 バイオポリエチレン(バイオPE)
4. 6 シェールガス採掘用途向け生分解性プラスチック
4. 6. 1 シェールガス採掘における生分解性プラスチックの役割
4. 6. 2 シェールガス採掘用として注目される生分解性プラスチック
4. 7 バイオマスプラスチックの課題
5. バイオプラスチックとゴムのアロイ化
6. セルロースナノファイバー
6. 1 セルロースナノファイバーの製造
6. 2 セルロースナノファイバーの利用
6. 2. 1 天然ゴム(NR)補強材としての利用
6. 2. 2 合成ゴム補強材としての利用
6. 2. 3 樹脂補強材としての利用
7. その他バイオマス材料
7. 1 リグニン
7. 2 近年のリグニンの研究
7. 2. 1 特許からみた近年の傾向
7. 2. 2 材料への添加( 補強, 高機能化)
7. 2. 3 リグニンベースポリマー重合
7. 2. 4 リグニンの分離法、製造法
7. 2. 5 炭素微粒子製造
8. 石油外資源タイヤ
8. 1 改質NR
8. 2 軟化剤
8. 3 加硫促進剤、老化防止剤
9. バイオ燃料に対する対応
9. 1 アルコール混合ガソリン
9. 2 バイオディーゼル
9. 3 バイオ燃料がゴム材料に与える影響
10. 藻が産生するオイル
10. 1 ユーグレナ
10. 2 ボトリオコッカス
10. 3 オーランチオキトリウム
10. 4 New Stain X( NSX)
10. 5 その他の一般的な藻類
10. 6 藻が産生するオイルの転換プロセス(燃料としての利用の場合)
11. 非在来型天然ガス、オイル
11. 1 非在来型資源とは
11. 2 シェールガス、シェールオイルの埋蔵量と採
掘可能年数
11. 3 シェールガス、シェールオイルによる影響
11. 3. 1 シェールガス・シェールオイルを「資源」と捉えた場合
11. 3. 2 シェールガス・シェールオイルを「燃料」と捉えた場合
11. 3. 3 シェールガス・シェールオイルを掘り出す際に使用される「新用途」という切り口で考えた場合
11. 4 まとめ
12. おわりに
第3章 ゴム・エラストマーと省資源・省エネルギー
1. はじめに
1. 1 CO2排出量に関して
1. 2 調査方法
2. 原材料製造過程
2. 1 合成ゴム製造プロセスにおける省エネルギー
2. 1 . 1 合成ゴム製造プロセス
2. 1. 1. 1 塊状重合
2. 1. 1. 2 溶液重合
2. 1. 1. 3 懸濁重合
2. 1. 1. 4 乳化重合
2. 1. 2 分離工程の省エネルギー化
2. 2 ゴム製品加工工程単純化のための原料製造工程
2. 2. 1 ウェットマスターバッチ
2. 2. 2 熱可塑性エラストマー
2. 3 原材料製造過程まとめ
3. ゴム製品製造
3. 1 混練
3. 2 加硫
3. 2. 1 加硫スクラップ削減技術
3. 2. 2 加硫時間短縮技術
3. 2. 3 ブラダー長寿命化技術
4. 省資源・省エネルギー製品
4. 1 自動車の低燃費化に向けたタイヤの技術動向
4. 1. 1 シリカ配合ゴム技術
4. 1. 2 カーボンブラックとシリカのゴム中での構造解析
4. 1. 3 シランカップリング剤
4. 1. 4 ポリマーの技術開発
4. 2 タイヤ設計による低燃費化技術
4. 3 インナーライナーの改良
4. 4 スペアタイヤレス化
4. 4. 1 パンク修理キット
4. 4. 2 ランフラットタイヤ
4. 4. 3 非空気入りタイヤ
4. 5 石油外資源の利用
4. 6 まとめ
5. タイヤ以外の省資源・省エネルギー製品
5. 1 ベルト
5. 1. 1 コンベアベルト
5. 1. 2 伝動ベルト
5. 2 断熱材
5. 3 潜熱蓄熱材
5. 4 ポリマー碍子
5. 5 メンブレン型散気装置
5. 6 まとめ
6. ゴム製品の長寿命化
6. 1 環境劣化(酸素、熱、オゾン)
6. 1. 1 劣化評価技術の動向
6. 1. 2 劣化抑制技術の動向
6. 1. 3 環境劣化まとめ
6. 2 疲労
6. 2. 1 疲労評価技術の動向
6. 2. 2 疲労抑制技術の動向
6. 2. 3 疲労まとめ
6. 3 摩耗
6. 3. 1 摩耗評価技術の動向
6. 3. 2 摩耗抑制技術の動向
6. 3. 2. 1 ポリマー
6. 3. 2. 2 補強性充填剤
6. 3. 2. 3 シランカップリング剤
6. 3. 3 摩耗まとめ
7. 3R
7. 1 3Rとは?
7. 2 ゴム・エラストマー関連3R動向
7. 2. 1 リデュース
7. 2. 2 リユース
7. 2. 2. 1 タイヤ関連(更生タイヤ)
7. 2. 2. 2 タイヤ以外
7. 2. 3 リサイクル(マテリアルリサイクル)
7. 2. 3. 1 熱処理
a タイヤリサイクル(TR)活性炭
b タイヤガス化リサイクル
7. 2. 3. 2 生物処理
7. 2. 3. 3 光触媒処理
7. 2. 4 まとめ
7. 3 タイヤリサイクルのCO2削減にむけて
7. 3. 1 タイヤの廃棄・リサイクル状況 (国内)
7. 3. 2 タイヤリサイクルの既存手法におけるCO2排出削減効果
7. 3. 3 まとめと提言
8. 提言
第4章 ゴム・エラストマーと創エネルギー・蓄エネルギー
1. はじめに
1. 1 日本のエネルギーの現況と調査の対象
1. 2 調査の範囲
2. 太陽光発電とゴム・エラストマー
2. 1 概況
2. 2 太陽光発電の仕組み
2. 3 太陽電池の種類
2. 4 太陽電池モジュールの部材
2. 5 封止材
2. 6 シール材
2. 7 まとめ
3. 水素エネルギーとゴム・エラストマー
3. 1 水素エネルギーについて
3. 2 水素エネルギー導入の意義
3. 3 水素エネルギー普及に向けた課題と取り組み
3. 4 水素エネルギーの動向
3. 5 水素機器用高分子材料の現状
3. 6 水素ステーションに関わる高分子材料
3. 7 まとめ
4. 燃料電池(車)とゴム・エラストマー
4. 1 燃料電池について
4. 2 固体高分子型燃料電池の部材と機能
4. 2. 1 高分子電解質膜の開発
4. 2. 2 セパレーター部材
4. 2. 3 ガスケットおよびシール部材
4. 3 燃料電池車用周辺機器
4. 4 リン酸型燃料電池の進展
4. 5 まとめ
5. エネルギーハーベスティングとゴム・エラストマー
ゴム・エラストマーと資源・エネルギー