2016年の春闘は、労働組合側が決着を目指した3月末を過ぎ、全容が徐々に明らかになってきている。
政府が企業側に賃上げを促す、いわゆる「官製春闘」が続いたが、今年は世界経済の減速感が広がる中で、労使双方がどんな交渉を行うか注目を集めていた。
自動車大手のトヨタは、ベースアップ(ベア)に相当する「賃金改善分」を、組合側が要求した月額3000円に対して同1500円で妥結。ベアの実施は3年連続となったものの、前年実績を大きく下回った。また、日立製作所やパナソニックなど大手電機5社も、同1500円で妥結した。
また、連合が3月25日に発表した第2回回答集計では、中堅・中小労組が加わっても、大手中心だった第1回の回答水準を維持して注目を集めた。
ゴム関連では、賃上げを要求したゴム連合傘下47単組のうち、賃金改善を要求したのは27単組(前年34単組)で、改善要求額は平均で1330円(同2034円)だった。
改ざん問題を抱える東洋ゴム工業がベアを見送ったほか、タイヤ3社も