未曾有の被害をもたらした東日本大震災。産業界に与えた影響も大きく、ゴム製品生産の 推移をみると、リーマンショックからの立ち直りで2010年は1月から12月まで生産量、出荷金 額ともに前年同月実績を上回り、順調に回復し本年に入っても1月、2月とプラスが続いたが 、震災発生の3月は生産量が合計で11万970㌧、前年同月比88・8%、出荷金額は1845億 4300万円、同93・3%と一転してマイナスとなった。
北関東、東北地域のタイヤやゴム加工メーカー、原材料メーカーが被災し、また茨城県の鹿 島エチレンプラントが津波による被害を受けて操業停止になるなど大きな混乱が生じたためだ 。
震災から3ヵ月が経過して原材料供給面では落ち着きを見せ、生産体制は徐々に戻りつつ あるが、ゴムベルト、医療用品、総ゴム靴の3品目を除き、4月のゴム製品生産実績は3月に 続き前年同月実績を下回る結果となった。
これにより、本年1―4月期のゴム製品生産実績は、全体で45万3094㌧、前年同期比98・ 7%、出荷金額は6986億8600万円、同99・6%とマイナスに転じた。
自動車生産などは夏から秋以降、前年並みに回復することが見込まれ、ゴム製品需要も回復基調が期待される。
2011年06月20日