日本ゼオンは3月29日、同社子会社のゼオン化成が、メキシコに塩化ビニル樹脂を原料とするパウダースラッシュ用樹脂コンパウンドの生産工場を建設し、2017年4月の生産開始を目指すと発表した。
ゼオン化成は2015年7月にゼオン・カセイ・メキシコ(以下ZKMX)を既に設立しており、このたび、メキシコ国内の日系・欧米系の自動車メーカーを始め、北米との交通アクセスに優れ、充実したインフラ環境を整えたサンルイスポトシ州サンルイスポトシ市コリナス工業団地にZKMXの新工場建設を開始した。
第1期は2017年4月に、パウダースラッシュ用樹脂コンパウンド(PVC/PSC)を年1200tの生産を開始し、市場の拡大に合わせて、第2期には更に1200tの能力増強を行い、合計年産2400t体制とする計画。
ゼオン化成のPVC/PSC生産拠点は、国内の茨城工場、海外では中国の常熟工場、今回のメキシコ工場と3拠点体制となる。メキシコ工場は供給の安定性の確保と地産地消の推進のために建設された。
PVC/PSCは意匠性・成型加工性に優れる上安価でもあることから、インビジブル・エアバッグ・システム用表皮材として、日本国内はもとより海外自動車メーカーでも採用が進んでいる。
同社ではメキシコでの現地供給に対応し、日本のゼオン化成PSC開発営業部や日本ゼオン加工品開発研究所との連携を強化し、市場の要請に対応できる体制作りを進めていく方針。