横浜ゴムは2016年度入社式を開催した。
新入社員に対する野地彦旬社長のあいさつは以下の通り。
横浜ゴムは翌2017年に創業100周年を迎えます。当社の中期経営計画「GD100」では、2017年に「企業価値、市場地位において独自の存在感を持つグローバルカンパニーになる」ことを目指しており、今年はその集大成の年になります。社員一丸となって、この目標達成に向けてやるべきことをしっかりと実行し、次の100年も、お客様に必要とされるタイヤ・ゴム製品メーカーであり続けたいと思っています。
入社式ということもあり、ここで改めて、「仕事とは何か?」を確認しておきたいと思います。
ひと言で言ってしまえば、「仕事」とは、「対象の役に立つこと」です。では、「対象とは何か?」。大きく対象とはニつに分類できます。ひとつが「人」です。もうひとつが「物」になります。仕事とは、
1)「人」に対して貢献すること
2)「物」に対して価値を付加すること
仕事には必ず、対象があります。これを意識して仕事をして下さい。昔、ものが豊富でなかったころ対象のほとんどは「人」でした。だから働くとは「ハタをラクにすること」とも言われていました。
次に、横浜ゴムの社員としてこんな風にあって欲しいという3つのお願いを致します。
1)自分の将来の夢、目標を描くこと
まず一つ目は「自分は将来こうなりたいという「夢」や「目標」を描いて欲しい」という事です。5年後、10年後の姿を想像し、描きます。そうすると、現在の自分と目標とのギャップが見えてくると思います。それが、課題です。その課題をどうやって克服するかを考えて、作戦を練ってください。その際、当たり前ですが指示待ち人間にはならないことです。「教わっていません」、「聞いていません」ではなく、実現する為に「自ら考え、自ら行動する」ことが大変重要です。そんな、横浜パーソンになって欲しいと思います。
2)発見をしてほしい
二つ目として、いろいろなことを「発見」する喜びを感じてもらいたい。机に向かって考えるのではなく、現場に行って、現物を見て、現実はどうなっているのかを、自ら確認して下さい。いわゆる「現場」「現物」「現実」からなる「3現主義」です。人から聞いたり、教わったりしたことは一週間で忘れてしまうというデータがあります。しかし、自分で事実調査をして、分析、解析して「発見」したことは忘れません。それは、発見したときに脳内モルヒネであるドーパミンが分泌され、脳に刻まれるからです。非常に脳が活性化された状態になります。安易に答を人に聞いたり、教わるのではなく自ら発見することができたら何と幸せなことかと思います。課長、リーダーの中には、発見させたくてワザと教えない上司がいます。皆さんに「発見」してもらいたいからなのです。いじめているのではありません。本当のリーダーなのです。
3)グローバルな視点で
そして三つ目です。現在を生きる我々としては、グローバルな視点に立ち、「自分に何ができるのか」「今、何をすべきか」を常に考える人になって欲しいのです。そして楽をせず、手抜きをせず「真摯な態度で行動する」ことです。すると対象から認められるようになり、感謝され、結果的に皆さんひとりひとりが「人」として成長し、「会社」も発展していくことに繋がります。
これから世界を舞台に仕事をする中で、いろいろな国や地域の人、様々な文化、宗教、習慣に触れることになります。その時には、自分の価値観や習慣を押し付けたりせずに、まず「受け入れる」というスタンスが大切です。是非、海外研修で感じて来て下さい。
これで最後になりますが、4月25日には最初の給与が支給されます。その時点で皆さんは、まだ会祉の利益に対して何の貢献もできていません。それでも給与をもらえるのは、皆さんをこれまで育ててくださったご家族に対する、会社からの感謝の気持ちと皆さんへの期待だと思って下さい。是非、意味のある使い方をして下さい。
では、皆さんの活躍と充実した社会人生活を祈念し、私の挨拶と致します。