タイヤメーカー各社が3月に発表した新車装着(OE)情報は、以下の通り。
◆ブリヂストン
ブリヂストンは3月2日、レクサスが2017年春頃の発売を予定している新型ラグジュアリークーペ「LC500h」に、標準装着タイヤとしてランフラットタイヤを納入すると発表した。
なお、当車両はスイスのジュネーブで開催される2016年ジュネーブ国際モーターショーのレクサスブースにて展示されている。
今回装着される「ポテンザS001L・RFT」は、従来の「ポテンザS001・RFT」での基本設計をベースに、「LC500h」の優れた走行性能を実現するため、パタンやゴムなどを新たに専用開発している。
ランフラットタイヤは、空気圧がゼロになっても、所定のスピードで一定距離を走行できるため、急なパンクでも安全な場所まで移動して停車することができる。また、スペアタイヤ(応急用タイヤ)が不要となることから、車両の軽量化、重量配分の改善など、優れた走行性能の実現にも貢献する。さらに、使用されずに廃棄されることの多いスペアタイヤが不要になることは、省資源化にも貢献することができる。
同社はランフラットタイヤを普及させることで、「より安全で環境に優しい車社会の実現」に貢献できるとしている。
◆東洋ゴム工業
東洋ゴム工業は3月9日、トヨタ自動車より2015年12月に発売された新型「プリウス」に新車装着用タイヤとして、当社製「ナノエナジー」ブランドタイヤが採用されていると発表した。
「ナノエナジー」は、同社の低燃費タイヤのグローバルブランド。同社は、タイヤの低燃費性能とウェットグリップ性能を両立させるため、ナノレベルでゴム分子材料開発を制御する独自の材料設計基盤技術「ナノバランステクノロジー」を開発している。
この技術を駆使することにより、新型「プリウス」の求める、高い基本性能と優れた環境性能を実現した新車装着用タイヤを開発した。
同シリーズは、国内市場および今後、新型「プリウス」が発売される欧州、北米などの海外市場でも新車装着用タイヤとして採用されている。
◆日本ミシュラン
日本ミシュランタイヤは3月14日、輸送効率向上ならびに環境負荷低減に貢献するトラック・バス用ワイドシングルタイヤ「ミシュラン X One」が、三和運輸が新たに導入した食品タンクローリー車の新車装着タイヤに採用されたと発表した。
澱粉・糖化製品を一貫生産するメーカーの原材料ならびに製品の輸送を展開する三和運輸では、液糖を輸送するためのタンクローリー車を多く保有している。液糖輸送の場合、他の液体と異なりその比重が非常に高く、限られたタンク容積で効率的に積載量を確保することが求められる。今回、新車導入にあたり最大積載量向上による輸送効率化に期待し、自社が導入するタンクローリー車の後輪軸に「ミシュラン X One XDN2」を採用した。タイヤサイズは455/55R22・5(164L)。
三和運輸の八木保郎代表取締役は、「近年の排ガス規制に伴い、架装部品が増え車両重量は増加する傾向にあります。車両が重たくなることによる最大積載量の減少は、運送事業者の経営効率に直結するため、いかに積載量を確保し輸送効率を向上させるかが事業運営上の大きな課題になっています。とくに弊社の場合、1・30以上の高い比重の液糖も扱っているため、積載重量の最大化はリッター数に換算しても大きな輸送効率改善につながります。そのため新車両を導入するにあたり『ミシュラン X One』を装着することで従来車両に比べ1台当たり約100kgの積載量向上が可能との提案を受け、導入に至りました」と述べた。
◆横浜ゴム
横浜ゴムは3月28日、クライスラー「パシフィカ」の新車装着用タイヤとして、「エイビッドS34」の納入開始を発表した。
同車はクライスラーブランドの車両を生産するFCA USの新型ミニバン。装着サイズは235/65R17・104Tで米国、カナダ、メキシコ向け車両に装着される。
同製品は北米市場で販売している乗用車用オールシーズンタイヤである「エイビッド」に同社のグローバルタイヤブランド「ブルーアース」の基盤設計や材料技術を投入して開発したもの。優れた走行性能と安全性能を実現しながら低燃費性能も高めている。
同社は先進タイヤ技術「ブルーアース」テクノロジーを投入したタイヤ開発を積極的に進めており、最新のエコカーやハイブリッドカーを中心に新車装着されている。