日本ゼオン 産総研と単層CNT量産技術開発で科学技術賞受賞

2016年04月13日

ゴムタイムス社

 日本ゼオンは4月12日、産業技術総合研究所とともに、スーパーグロース法単層カーボンナノチューブ(CNT)の量産技術開発で、今年度の文部科学大臣表彰科学技術賞を受賞したと発表した。

 日本ゼオンの荒川公平・特別経営技監、上島貢・総合開発センターCNT研究所長、産総研の畠賢治ナノチューブ実用化研究センター長、湯村守雄・首席研究員、フタバ・ドン・ノリミ研究チーム長の5名が受賞した。

 スーパーグロース単層CNTの持つ優れた特性によって、応用範囲がエネルギーから環境、ITまで多岐に渡り、素材面から日本の産業競争力の強化に寄与することが評価された。

 授賞式は4月20日に文科省で行われる。

 日本で発見された単層CNTは、優れた物理化学特性を持ち、次世代の基幹素材として期待されている。しかし、合成効率が極めて低かったため、現時点では本格的な工業用素材として商業生産されていない。

 日本ゼオンと産総研は、極微量の水分を合成雰囲気に添加することで、合成収率を従来の1000倍改善し、高純度・長尺の単層CNTを得る合成手法(スーパーグロース法)を開発。塗布触媒や連続合成、大面積合成技術などの基盤技術を開発し、スーパーグロース法の工業的量産プロセスを実現した。

 これにより、スーパーグロース単層CNTの商業生産が実現し、CNTスーパーキャパシター、CNTゴム複合材材料を用いた医療福祉器具などが実用化される予定だ。

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