日本ミシュランタイヤは4月18日、運送事業者の抱える「ドライバー不足改善」という課題の解決に役立つ有料サービス「運送事業者向け診断パッケージ」を、3月から開始したと発表した。
新サービスはドライバーと、事業者あるいは管理者にアンケート調査を実施することで、双方の認識のギャップを浮き彫りにし、ミシュラン独自の調査データを基に、その運送会社の問題点を従業員の「エンゲージメント」という観点から相対比較して、調査結果を報告するものだ。エンゲージメントとは、会社に対する帰属意識や業務への貢献意欲のこと。
アンケートは、事業主向けとドライバー向けがあり、ドライバー500人までの事業所を想定している。サービス基本料金は7万~30万円(税別)で、ドライバー数により異なる。アンケート方法は、無記名によるアンケート用紙記入方式。
トラック輸送業界ではドライバー不足が深刻化しており、就業者数はここ数年横ばいで推移している一方、生産拠点の集約や物流の直送化、EC事業の拡大などによる輸送需要増大に伴い、ドライバー1人あたりの輸送負担は増加傾向にある。
このため、輸送量に相当するドライバーを確保できず、既存顧客からの配送依頼に柔軟に対応することができないケースや、新規事業への参入・新規顧客の獲得に踏み込めないといった状況が顕著化しつつある。
これらは単に業界における「輸送量の安定確保」だけにとどまらず、荷主企業の物流コスト、荷主に関連する企業の事業コストにまで影響する重要課題になっているともいえる。
またドライバー不足は、安定的かつ安全な輸送といった「輸送品質」の低下を招き、さらには運送事業の経営不安というリスクも内包している。
同社では、ドライバー不足に悩む運送事業者と従業員満足度を把握・改善したい運送会社に、このサービスを活用してもらうことで、業界の課題解決に貢献できると考えている。