日本ゴム機械懇話会(JRM)は4月14~17日に台湾を訪れ、第37回総会を開催するとともに、台湾研修を行った。
JRMの報告書によると、総会は14日に台北市の台湾料理店で開催され、髙木康彦会長(関西ロール社長)の再任、市村真佐人副会長(和光精機相談役)の退任と、中部地区からの副会長として石川原圭中山商店事業責任者の新任が満場一致で可決されたほか、会員から近況報告が行われた。
最初に髙木康彦会長(関西ロール社長)があいさつを行い、まず、今回総会を初めて海外で開催するに当たり、幹事を務めた山中亨副会長(ミクロ電子社長)の尽力に対し謝意を述べた。
続いて国内経済に触れ、中国経済の減速などのあおりを受けて、年初からの株安・円高を背景に一段と透明感が増す中「自動車業界を中心に、一部で陰りが見えてきた感もある」との認識を示した。
また、これまで設備投資の下支えとなっていた「ものづくり補助金」の効果に関しても、昨年まで先行投資を行ってたきた顧客も多く「今後、これまでの効果も見込めない可能性も否めない」とした。
こうした状況下で開催した今回の総会では、会員各社の現況についての報告やゴム業界を取り巻く環境などについて「忌憚のない意見を述べてほしい」と要望した。
昨年度の会計については、玉置篤会計(小松原社長)から報告が行われ、鈴木康三会計監査(松田製作所社長)から事前に監査を実施した結果、内容に問題ないことを確認したとの報告がなされた。
役員改選後のあいさつでは、市村副会長が「第4回総会からこれまで一度も欠かすことなく参加してきたので、JRMに対しての思い入れも強い」と退任の辞を述べ、石川新副会長は「大役に若干プレッシャーを感じているが、微力ながら尽力したい」と決意を示した。
会員の近況報告としては、スクラップ相場を背景に今後良くなると期待する声もあった一方、不透明感を強く感じている企業も多数あった。
具体的には「スクラップ相場が昨年11月を底値に現在は5000円以上値上がりしている。通常スクラップ相場が上昇すると半年遅れ程度で設備投資などが上向く傾向が多いため、今後の景気動向は上昇すると期待している」
「年々顧客の製品に対する評価の要求が高くなっており苦慮している」
「ものづくり補助金効果により業績は好調。これまで低調だった顧客も徐々に上向きつつある感触を得ている」
「台湾景気に関しては国内の鉄鋼は低調、海外投資は旺盛である。中国は全く振るわず、前年比で4~5割減少。アメリカについては例年並み。一方、インドは今後冷え込んでくる見込み。タイは2年前のクーデターを境に3割減少し、今後も低調が続き、おそらく19年までは変わらないだろうと見ている」
「年明けからの円高傾向により不透明感はさらに強くなっている。年初からすでに10%以上、円高。さらなる円高の進行は、輸出主導が中心の我々日本の機械メーカーにとってはマイナス」などの見解が示された。
15日には、小松原の玉置社長の紹介により、台湾紡績メーカーのトップ企業「台元紡績股份有限公司」を訪問した。
最初に会社の説明が行われた。同社は1951年の設立。9割以上が輸出され、国別比率は日本・米国・欧州がいずれも30%で、その他が10%となっている。
現在の主だった納入先は、日本はユニクロ・MUJI(無印良品)、米国はリーバイス、欧州はDISELなど。原材料である綿はエジプト・インド・ブラジルから輸入している。
説明後、午前から午後にかけて工場を視察した。紡績製造生産ライン・染色工場・デニム織物工場の順に3工場を視察したが、いずれも工場間はバスで移動しなくてはならないほど広大な面積だった。