医療機器の設計・製造に関するアジア最大の展示会「MEDTEC Japan2016」が4月20~22日、東京・有明の東京ビッグサイトで開催された。医療機器メーカーの来場が来場者全体の70%以上を占めるなど、その専門性や来場者のクオリティの高さが広く業界に認知されている同展示会には、ゴム・樹脂関連企業も多数、出展していた。
◆NOK
NOKはグループ会社の日本メクトロンとの共同出展で、特許出願中のマイクロ流体自動注入化技術や開発中の「生体信号用ゴム電極」などを紹介した。
マイクロ流体自動注入化は、マイクロ流体用パッキンを利用することで、注入液をピペットチップから直接マイクロ流体デバイスに注入できる。
生体信号用ゴム電極は、ペーストが不要で繰り返し使えるため、従来のゲルや金属よりも使い勝手が良いゴム電極。心電図や筋電図、脳波計などへの用途が期待されている。
◆藤倉ゴム工業
藤倉ゴム工業は医療用液状シリコーンゴム材料と、LED用シリコーンゴムレンズをメインに紹介した。
医療用液状シリコーンゴム材料は、人工透析用部品や点滴用パッキン、輸液回路用逆止 弁などへの用途が考えられる。開発中の逆止弁は従来に比べ構造を簡単にすることで、コスト低減を図れるだけでなく、同じ逆止弁効果が得られる。
LED用シリコーンゴムレンズは、透明性・光透過性やUV安定性、高反射率、熱安定性などが特長。体育館やスタジアムなど大型LED照明への対応も可能である。
◆東拓工業
東拓工業は親会社の長瀬産業との協業で医療用等機能性シート・フィルムを紹介した。
新製品の「ノンコートタイベック対応プレフィルドシリンジ用トレイ」は、デュポン社が開発した高密度ポリエチレン不織布「タイベック」のノンコートタイプ。滅菌用不織布のタイベックにヒートシール材をコーティングすることなく、ヒートシールできるため、ストレスのない開封や明確な剥離痕跡などが可能となった。
開発中の「ポリエステル複合トレイ」は、冷凍食品の容器として使われる。耐熱性に優れ、レンジでの過加熱による穴あきが発生しない。また、ポリエステルの優れた難溶出性と耐熱性により、PP製トレイに比べて食品に与える影響が少なく、安全に使用できる。
◆日進ゴム
日進ゴムは滅菌処理(オートクレーブ)対応の耐滑素材の熱可塑性エラストマーや、高耐滑ゴムシート「HyperV(ハイパーV)」、靴下を履くための自助具「ソックスエイド」を紹介した。
熱可塑性エラストマーは医療や精密機器分野で必要なオートクレーブに対応している上、同社が得意とする対耐滑性も付加することが可能。
ハイパーVブランドは、水や油など滑りやすい床面で