トヨタ自動車は4月21日、高い耐油性と耐熱性が必要な特殊ゴム製部品であるエンジン・駆動系ホースに、バイオ合成ゴムのバイオヒドリンゴムを世界で初めて採用すると発表した。
国内生産車種のバキュームセンシングホースに5月から順次適用し、年内には国内生産の全車種に採用する予定。今後、ブレーキ系ホース、燃料系ホースなどの特殊ゴム部品にも採用拡大を目指す。
このバイオヒドリンゴムを原料としたバキュームセンシングホースは、日本ゼオン・住友理工と共同開発した。
バイオヒドリンゴムは大気中のCO2を吸収しながら生長した植物を原料とすることで、従来の石油系ヒドリンゴムに比べ、製造から廃棄までのライフサイクルでCO2排出量を約20%抑制することができる。
一方、バキュームセンシングホースに求められる耐油性・耐熱性・耐久性については、植物由来原料を分子レベルで石油由来原料と結合させ、合成ゴムへ変換する技術など、様々な複合化技術を駆使することにより、従来と同等レベルを確保した。
さらに部品製造でも、従来の石油系ヒドリンゴムを用いた場合と同等の品質と量産性を確保し、市販車への採用を可能とした。
同社は昨年10月、持続可能な社会の実現に貢献するための新たなチャレンジとして「トヨタ環境チャレンジ2050」を発表。この実現に向けた取り組みの一つとして、バイオヒドリンゴムを原料とした環境適応型のバキュームセンシングホースを採用した。
今後も、エコプラスチック・バイオ合成ゴムのさらなる適用部位拡大につながる技術開発・実用化を推進する方針だ。