【コラム連載シリーズ】世界のゴム事情9 加速する日系企業のメキシコ進出

2016年05月02日

ゴムタイムス社

 加速する日系企業のメキシコ進出

 前回は「メキシコに米国からゴム産業自体が移動している」「安い人件費を武器に米国でゴム製品を作る代わりに、原料を米国から運んで、メキシコで成型して、それをメキシコにある米系、日系、EU系の自動車工場に納入し、その自動車のほとんどが米国に輸出される」との話をしました。
 問題はメキシコで入手できるゴム材料の種類が少ないということです。そのためゴムコンパウンドを現地で購入するケースも増えてきました。
 ゴム練り会社はHEXAPOLが2工場、PREFERRED RUBBER1工場で、日系や、現地系で品質しっかりしたゴム練り会社はまだありません。当社はこのPREFERRED RUBBERの日系ゴム会社向けの販売代理店をしています。
 ゴム練りユーザーとの協議の中で、どのゴム材料を使うか、ゴム材料をどの地域から調達するのがよいかの情報を集まってきます。メキシコではどの材料であれば使えるか、どれであれば、米国、またはアジアからもってきたほうがよいかの知見が蓄積しています。
 また日本とメキシコの間にはFTA経済提携協定が発効し原則日本からメキシコに輸入される主なゴム材料は輸入関税無税になりますが、その原産地証明書を入手することは、輸入する材料のそのまた原料の原産地、割合、コスト割合、そのまた原料の原産地証明書等が必要でかなり煩雑な作業となります。
 たとえばゴムコンパウンドを日本から

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