信越ポリマーの2016年3月期連結決算は、売上高は750億3900万円で前年同期比4・6%増、営業利益は41億100万円で同83・8%増、経常利益は45億3200万円で同58・2%増、親会社株主に帰属する当期純利益は31億5100万円で同77・3%増となった。
電子デバイス事業では、自動車関連入力デバイスを中心に順調な出荷が続き、全体として売上げは前年度を上回り、利益が大幅に伸長した。
入力デバイスは、自動車の電装化進展を背景に自動車用キースイッチとタッチスイッチの出荷が順調に推移し、薄型ノートパソコン用タッチパッドの出荷も堅調で、売上を伸ばした。
ディスプレイ関連デバイスは、液晶接続用コネクターが堅調に推移し、視野角制御フィルム(VC―Film)の自動車用途への展開もあった。
コンポーネント関連製品は、半導体検査用コネクターが順調に推移した。
これらの結果、同事業の売上高は199億3300万円で同5・6%増、営業利益は13億600万円で同43・0%増となった。
精密成形品事業では、半導体関連容器、OA機器用部品、キャリアテープ関連製品の出荷が順調に推移し、全体として売上げは前年度を上回り、利益は大幅に伸長した。
半導体関連容器は、半導体業界の高水準な需要を背景に主力製品の出荷が好調に推移し、売上げを伸ばした。
OA機器用部品は、主要ユーザー向け製品の出荷が回復したことから、売上げは前年度を上回った。
キャリアテープ関連製品は、自動車向けやスマートフォン向け電子部品などの旺盛な需要が続き、売上げは前年度を上回った。
シリコーンゴム成形品は、主力のメディカル関連製品や建材関連製品などの出荷が安定的に推移し、売上げを伸ばした。
これにより、同事業の売上高は303億7700万円で同6・1%増、営業利益は36億2900万円で同65・9%増となった。
住環境・生活資材事業では、市場の需要低迷と価格競争の激化により、全体として売上げは伸び悩んだものの、原材料価格安などにより、利益改善が進んだ。
ラッピングフィルムなど包装資材関連製品は、食品スーパーマーケット向けが横ばいだったが、外食産業向けの出荷が堅調に推移し、売上げは前年度を上回った。
塩ビパイプ関連製品は、住宅着工戸数の伸び悩みにより、受注量確保が厳しい状況が続き、売上げは前年度を下回った。
機能性コンパウンドは、自動車用が安定的に推移したものの、電線用が低迷し、売上げは前年度を下回った。
外装材関連製品は、需要低迷と価格競争激化などの影響により売上げは伸び悩んだ。
この結果、同事業の売上高は182億500万円で同1・2%減、営業損失は5000万円(前期は7億1200万円の損失)となった。
その他の工事関連では、首都圏を中心に商業施設の新築・改装物件の受注を獲得したほか、全体として、売上げは前年度を上回った。なお、報告セグメントに含まれない新規事業開発関連をその他に含めている。
これにより、その他の売上高は65億2200万円で同13・4%増、営業損失は7億4000万円(前期は1億1500万円の損失)となった。
同社グループの関連市場である電気・電子機器、半導体業界などでは、スマートフォンをはじめとするモバイル機器やプリンターなどの生産動向、競合他社との競争激化など、事業環境の先行きが不透明な状況が続いている。
このため、同社グループの業績予想を合理的に算定することが困難となっており、現時点では、次期の連結業績予想は未定となっている。今後、連結業績予想の算定が可能となった時点で開示する方針だ。