S─SBR 需要拡大も成長率鈍化
合成ゴムを取り巻く需要環境が大きく変化してきた。主力需要先であるタイヤ生産はじめ各種工業用ゴム製品の需要ダウン、供給過剰や販売競争激化に伴う海外市況の軟化に加え、年初からの為替円高により合成ゴム事業の更なる収益圧迫が懸念される。合成ゴム各社の現況を追った。
合成ゴム工業会が先にまとめた15年の合成ゴム生産実績は全体で155万8282tで前年同期比4・3%増だったが、出荷数量は同4・4%減の145万3301tとなり、販売金額も同6・7%減の5113億2400万円、出荷数量と同様に減少した。15年年間のタイヤ生産量が同5・7%減となったことを受けて、出荷数量・販売金額とも前年を下回った。
一方、日本ゴム工業会が先にまとめた2015年の合成ゴム品種別出荷実績でも、自動車タイヤ・チューブ向けと工業用品向けが