JSR、宇部興産など3社 ABS樹脂事業子会社を統合へ

2016年05月11日

ゴムタイムス社

 JSRと宇部興産(UBE)、三菱レイヨン(MRC)の3社は5月9日、JSRの完全子会社であるテクノポリマー(TPC)と、UBE、MRCがそれぞれ50%ずつ出資する「UMG ABS」(UMG)との経営統合によるABS樹脂事業統合の交渉に関し、基本合意したと発表した。

 今後も厳しさを増す国内外のABS樹脂事業を取り巻く環境下で、国内への安定供給と海外での拡販のため、オペレーションを最適化し、製造効率とコスト競争力を確保することが主な目的。合併契約と株主間契約を、10月31日をめどに締結するための交渉に入る。

 この基本合意には法的拘束力がない。今後、基本合意に基づき、合併比率や統合会社の商号など、経営統合に関する具体的事項を当事者で協議し、各当事者の取締役会決議など必要な手続きを経て、法的拘束力のある最終契約を締結する予定だ。

 今後のスケジュールは、デューデリジェンスの実施と統合効果の調査・検討が5~9月、最終契約締結日が10月31日(予定)、合併期日(効力発生日)が来年10月1日(予定)。

 なお、同経営統合の実施に向けた手続は、公正取引委員会など国内外の関係当局に必要な届出を行いながら進めていく。

 TPC(東京都港区、佐島康貴社長)の事業内容は、スチレン系樹脂(ABS・AS・AES・ASA・その他ポリマーアロイ)の製造、加工、販売、研究開発。資本金は30億円で発行済株式数は6万株。

 UMG(東京都中央区、井伊康明社長)の事業内容はABS樹脂事業(ABS、ASA、SAN、AESの各ポリマーと、これらを使用するコンパウンド品、他の樹脂とのアロイ製品に関する事業)。資本金は30億円で発行済株式数は2000株。

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