クラレ 米国で「エバール」生産能力を増強

2016年05月12日

ゴムタイムス社

 クラレは5月11日、米国現地法人クラレアメリカによるEVOH樹脂「エバール」生産能力増強の決定を発表した。

 米国テキサス州ヒューストン近郊に所在するクラレアメリカ・エバール工場で年産1万1000tの増強が行われる。稼働時期は2018年央の予定。増強後のクラレアメリカの生産能力は現状の合計4万7000tから5万8000tとなる。

 「エバール」はその優れたガスバリア性を生かし、内容物の劣化を防ぐことから食品包装用途で、また揮発ガソリンの漏洩を防止することから自動車用ガソリンタンク用途で、需要が拡大し続けている。

 また、汚れ防止壁紙や床暖房用パイプ、冷蔵庫用真空断熱板などの用途に加え、近年では農業用途、産業用途などの新用途開拓に注力している。

 「エバール」の需要は日米欧をはじめとする先進諸国が中心だったが、新興諸国でも需要が伸張しており、安定供給体制を維持するために、生産能力の増強が必要と判断した。

 同社グループは、2015年度からスタートした中期経営計画「GS―STEP」において、コア事業の深耕を経営戦略の一つに掲げている。中でもビニルアセテート関連事業においては、世界No・1サプライヤーとしてグローバルに事業基盤の強化を進めている。「エバール」においては、昨年の欧州での能力増強に続く今回の増強により、EVOH樹脂およびバリア材料のリーディングカンパニーとして更なる事業拡大を目指す方針。

 

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