クラレの２０１６年１２月期第１四半期連結決算は、売上高が１２０７億１０００万円で前年同期比８・０％減、営業利益は１７１億２８００万円で同７・５％増、経常利益は１８４億２３００万円で同４・６％増、親会社株主に帰属する四半期純利益は１１９億２４００万円で同３・３％増となった。
ビニルアセテートの売上高は６２７億６５００万円で同８・１％減、営業利益は１４２億９６００万円で同15・７％増となった。ポバール樹脂は総じて堅調に推移した。光学用ポバールフィルムは液晶パネルの生産調整の影響を受け、販売量が減少した。水溶性ポバールフィルムは堅調に推移。ＰＶＢフィルムは中国の需要に回復の兆しが見えた。ＥＶＯＨ樹脂「エバール」は、自動車ガソリンタンク用途、食品包装用途ともに順調に推移した。
イソプレンの売上高は１２６億７２００万円で同９・９％減、営業利益は28億５４００万円で同６・３％減となった。イソプレン関連では、ファインケミカル、熱可塑性エラストマー「セプトン」、液状ゴムは中国の景気減速の影響を受けた。耐熱性ポリアミド樹脂「ジェネスタ」は、自動車用途が拡大を続け、コネクタ用途に回復の兆しが見えた。一方で、ＬＥＤ反射板用途は引き続き中国の景気減速の影響を受けた。
機能材料の売上高は１３３億４６００万円で同６・４％減、営業利益は15億４４００万円で同６・８％減となった。メタクリルは一部樹脂用途で価格対応を余儀なくされた。メディカルでは、歯科材料の販売が新製品拡充や販売面でのシナジー増大により、好調に推移した。人工皮革「クラリーノ」は、既存プロセス品・新プロセス品ともに堅調に推移した。
繊維は好調なビニロンに加え、生活資材も想定通りに進捗した結果、売上高は１１８億７０００万円で同６・０％減、営業利益は10億９７００万円で同29・７％増となった。
トレーディングでは、化学品関連事業は中国の景気減速影響を受け、繊維関連事業は一部用途で低調な国内需要の影響を受けた。結果、売上高は２８７億３６００万円で同４・８％減、営業利益は９億１８００万円で同８・２％減となった。
その他事業は総じて堅調に推移したが、同第１四半期にエネルギー材料事業が加わったことによ、り開発費が増加した。この結果、売上高は１５７億１９００万円で同５・８％減、営業利益は１１００万円で同94・７％減となった。
通期の連結業績予想は当初見通しから変更なく、売上高が５４００億円で前期比３・５％増、営業利益が７００億円で同５・９％増、経常利益が６８０億円で同５・４％増、親会社株主に帰属する当期純利益が４００億円で同11・９％増を見込んでいる。
