フコクの2016年3月期連結決算は、売上高が722億1600万円で前期比3・1%増、営業利益は32億2900万円で同6・5%減、経常利益は33億7000万円で同18・1%減、親会社株主に帰属する当期純利益は19億6800万円で同29・4%減となった。
大型建機向けなどの伸び悩みが見られる中、自動車産業の堅調を背景に全体としては順調に推移した結果、売上高は4期連続で過去最高を更新した。
一方、損益面では、営業利益が防振その他の事業の製造原価増など、経常利益は為替差益の減少など、純利益も子会社の固定資産減損などによって、いずれも減益となっている。
セグメント別業績については、機能品事業は国内外での受注の好調を反映し、売上高が同5・3%増の363億1800万円、セグメント利益は同31・6%増の45億8700万円。
防振事業は建機メーカー向けがやや低調だったものの、カーメーカー向けの堅調に支えられて売上高は同比1・2%増の280億1500万円。セグメント利益は国内事業の製品構成の変化や、アセアンでの製造原価の上昇などの影響もあり、同11・9%減の25億2900万円となった。
金属加工事業は主に建機メーカー向けの不調により、売上高が同2・6%減の60億1900万円。セグメント利益は子会社の構造改革などの負担も加わり、同84・3%減の200万円だった。
その他に関しては、主に建機メーカー向けの不調により、国内ホース事業の受注が振るわず、売上高は同0・8%減の29億9200万円。損益面ではアセアンでのホース事業推進の負担が大きく影響し、6億5200万円の損失となった(前年同期は2400万円の利益)。
次期の見通しについては、主要顧客先である自動車産業は、米国や新興国を牽引役とするマーケットの需要増に対応して概ね堅調に推移しており、同社グループも市場と顧客の動向を見据えたグローバル戦略を構築しつつ、積極的に追随。また、自動車産業以外の領域でも、新たな商品や客先の開拓に注力している。
これにより、売上高は725億円で同0・4%増、営業利益は33億円で同2・2%増、経常利益は35億円で同3・8%増、親会社株主に帰属する当期純利益は22億円で同11・7%増の見込みとなっている。