ナンシンの2016年3月期連結決算は、売上高が93億6600万円で前年同期比3.8%増、営業利益は8億2400万円で同9.9%増、経常利益は9億8500万円で同29.6%増、親会社株主に帰属する当期純利益は8億1700万円で同42.8%増となった。
主要な取引先である機械工具業界や物流業界からの受注にいま一つ力強さが感じられない中、同社グループは海外生産拠点との一体運営の強化などにより、さらなる原価低減と新たな販路の開拓に努め、経営体質の充実強化に注力した。
この結果、売上高の伸び率は前期の2.4%を上回ったほか、為替差益等により 経常利益は3割増となるなど、利益についてはいずれも黒字転換した。
同社グループが属する業界でも、中国経済の減速懸念や為替・株価の動向の不安定さに加え、需要構造の変化や価格競争のさらなる激化が予想され、今後とも厳しい経営環境が続く見通しだ。
こうした環境の下、同社グループは海外売上の拡大など新たな販路の開拓に注力するとともに、さらなる原価の低減と新製品の開発により価格競争力を強化する。また、為替変動への対応力を高め、グループ全体利益の最大化を図る方針だ。
以上により、通期の連結業績予想は、売上高が96 億円で同2.5%増、営業利益は8億9000万円で同7.9%増、経常利益は9億円で同8.6%減、親会社株主に帰属する当期純利益は6億3000万円で同23.0%減を見込んでいる。
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