ゴム業界 他社牽制力ランキング、1位はブリヂストン

2016年05月19日

ゴムタイムス社

 パテント・リザルトは5月19日、独自に分類したゴム製品業界の企業を対象に、2015年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された件数を企業別に集計した「ゴム製品業界 他社牽制力ランキング2015」を発表した。

 この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになる。

 集計の結果、2015年に最も引用された企業は、昨年に続いてブリヂストンの1244件、次いで横浜ゴムの711件、住友ゴム工業の601件となった。

 1位のブリヂストンで最も引用された特許は、「低ヒステリシスなゴムの調製」に関する特許(特許第5205056号)で、後発の特許10件の審査過程で拒絶理由として引用されており、企業別では横浜ゴムの8件、KJケミカルズ、ARKEMA FRANCEの各1件となっている。次いで、「低発熱性および耐摩耗性に優れているタイヤ」に関する特許(特願2007―043805)が、後発特許8件の審査過程において拒絶理由として引用された。

 2015年にブリヂストンの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は、住友ゴム工業の180件、次いで横浜ゴムの130件、仏ミシュランの62件だった。

 2位の横浜ゴムで最も引用された特許は、昨年に引き続き「製造コストを低減し、耐久性の向上を図ったタイヤ」に関する特許(特許第4501326号)で、後発の特許14件の審査過程で拒絶理由として引用されており、この14件は全てブリヂストンの特許となっている。この他に「接地面圧の均一化を可能にした非空気式タイヤ」に関する特許(特願2008―139408)や「タイヤ補強用スチールコード」に関する特許(特願2008―222283)などが引用された件数の多い特許として挙げられる。

 2015年に横浜ゴムの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は、ブリヂストンの225件、次いで住友ゴム工業の105件だった。

 3位住友ゴム工業の最も引用された特許は、「耐久性、乗心地性、操縦安定性の向上を図ったタイヤ」に関する特許(特願1992―108677)で、後発の特許12件の審査過程で拒絶理由として引用されており、この12件は全てブリヂストンの特許となっている。この他に「重荷重用空気入りタイヤ」(特許第3493190号)などが引用された件数の多い特許として挙げられる。

 2015年に住友ゴム工業の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は、ブリヂストンの222件、次いで横浜ゴムの79件だった。

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