TOP Interview 上 タイガースポリマー 渡辺健太郎社長

2011年06月20日

ゴムタイムス社

渡辺健太郎社長

タイガースポリマー㈱の渡辺健太郎社長は16日、同社本社で記者会見を行い、11年3月期決算概況を振り返るとともに新年度の事業方針などを説明し た。渡辺社長は「前期に海外の生産販売子会社6社が揃って増収増益を達成、グループとして着実に企業体質の強化が図られた。新年度は東日本大震災による自 動車部品関連の減少が予想されるが、シート、ホース製品の増販でカバーしたい。海外事業はいずれも順調で、さらに拡大させる」などと語った。
〈前期の業績について〉 渡辺社長 リーマンショック後のコスト削減策などで損益分岐点を引き下げることができたことが背景にあり、売上高は前期比11%増、営業、経常利益は大幅 な増益を達成した。海外の生産販売子会社6社が全て増収増益を達成し、グループを上げての体質強化が奏功、3月期は増配も実現し、株主にも喜ばれた。 〈東日本大震災の影響は〉 渡辺社長 当社グループでは栃木工場が震度6の地震で建物や機械設備でかなりの被害を受けたが、1週間程度で生産に関しては復旧、現在は自動車部品、精密成形品、一部の押出製品をフル生産している。 節電対策として、自動車業界が今夏は木曜・金曜休日とし、土・日操業にシフトされるようだが、当社の栃木工場も部品供給の観点から土・日操業体制に変更する。 〈新年度の足元の状況は〉 渡辺社長 主要顧客の生産計画では、国内は6月中に正常に戻るが、4―6月期は5割程度の復旧のようだ。7月以降、徐々に回復し10月からは増産体制に入り、上期の減少分を取り返す計画だ。 従って、自動車部品事業は前年対比マイナスとなるのは避けられない。しかし、福島原発事故の緊急対応としてホースの出荷が伸び、今後は地中埋設や住宅ダクト関連でのホース需要、さらには工場設備のシート・パッキン類が震災復興需要として生じると思われる。 通期(12年3月期)の連結業績予想については、震災の影響があまりにも大きく、市場動向がつかみにくいため、第1四半期業績を踏まえ慎重に動向を把握した上で公表する。 〈直面する課題は〉 渡辺社長 原材料価格高騰への対処が課題の一つ。資材部と商品調達室を統合して「購買部」を設置、部門長は取締役ポストとした。震災の影響から緊急対応と して輸入材料の調達も行ったが、将来に向けて輸入材料の使用検討も進める。また、製品価格改定ではシート製品、一般産業用ホースの順で今夏に向けて見直し を実施したい。(次号に続く)

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