日本ゴム工業会は5月26日、第8回幹事会を開催し、事務局が各種統計の報告と資料配布を行った。資材関係については原油・ナフサ価格の推移、天然ゴム相場と在庫の推移などを報告した。
●原油・ナフサ価格の推移
原油・ナフサ価格は依然として低い水準が続いている。
原油相場は、供給過剰感から今年1月に30ドル/バレル前後まで下落したが、その後はシェールオイルの減産、産油国の協調減産に向けた動きやドル安傾向を背景に上昇し、5月は40ドル/バレル台で推移した。
15年平均で見ると、ニューヨーク先物相場(WTI)は48・8ドル/バレルで、前年平均を44・2ドル下回り、16年平均(5月15日現在)は37・3ドル/バレルまで下落。ドバイ原油の15年平均は51・0ドル/バレルで、前年平均を45・7ドル下回った。16年平均(同)では、さらに34・7ドル/バレルまで値下がりしている。
ナフサ価格についても、原油価格に連れ、オープンスペック価格、輸入価格ともに15年後半から大幅に下落した。
オープンスペックは今年1月に、輸入ナフサも3月に2万円/kl台まで下落。オープンスペックは4月に入り3万円/kl台となったが、国産ナフサ価格は第2四半期に3万1000円/kl前後に下落の予想となっている。
シンガポールナフサの15年平均は52・5ドル/バレルで、前年平均を41・7ドル下回り、16年平均(同)は38・8ドル/バレルとなった。
国産ナフサ価格の15年平均は4万6000円/klで、前年平均を2万3700円下回った。16年平均(第1四半期)では3万4300円/klとなり、前年に比べ1万1700円低下している。東京オープンスペック価格の15年平均は4万1500円/klで、前年平均を2万1900円下回り、16年平均(同)は2万8800円/klで、前年からさらに1万2700円値下がりしている。
ブタジエンのアジア市況は、昨年末のシンガポールでのクラッカー停止や、原油・ナフサ・天然ゴム価格などの上昇に伴い、12月の714ドル/tを底に、今年3月には1000ドル/tまで上昇している。
一方、年平均で見ると、15年は898ドル/tと14年の1292ドル/tに対し、ドルベースでマイナス394ドル/t、円換算でマイナス27円/kgとなり、さらに16年(5月15日現在)は960ドル/tで、ドルベースではマイナス332ドル/t、円ベースではマイナス28円/kgと下落している。
●天然ゴムの東京相場・市中取引相場、生ゴム営業倉庫在庫の推移
天然ゴムの東京相場は2月以降、原油価格の上昇や、主要生産国の輸出削減策に関する報道、減産期入りなどを背景に上昇傾向を示していた。しかし、4月をピークに再び下落しており、月間平均値では依然として200円/kgを下回る水準で推移している。
東京相場当限・東京相場先限・市中取引相場の15年平均は、それぞれ186・5円/kg、195・7円/kg、196・6円/kgで、いずれも前年平均を17・0円、13・8円、16・2円下回った。16年平均(同)は、それぞれ160・8円/kg、170・7円/kg、172・0円/kgで、やはり25・7円、25・0円、24・6円下回っている。
生ゴム営業倉庫在庫は、昨年11月に1万tを割ったが、12月以降は増加に転じ、今年に入り1万3000t前後で推移している。
●主要原材料の価格動向
主要原材料の日銀企業物価指数の推移では、合成ゴムはナフサやブタジエン価格に連れ、昨年11月から下落傾向を示しており、今年3月は昨年9月比87・8%の82・3まで下落した。4月は前年同月比87・4%の83・3とやや戻している。
天然ゴムは昨年6月の68・9をピークに、今年2月に46・3まで下落した。3月から上昇に転じ、4月は前年同月比83・0%の51・2となっている。
カーボンブラックも2月以降、100を下回り、4月は99・0となっている。
主要原材料の企業物価指数の年間平均値の推移では、電力と都市ガスを除く、天然ガス、合成ゴム、カーボンブラック、ナフサ(国内価格)、A重油、ブタン・ブチレン、スチレンモノマーは14年をピークに下落を示し、100を下回る水準となった。
一方、都市ガスは大幅な下落を示すものの、107・2と、依然として100を上回っており、電力は123・9と高止まりしている。