ニッタは5月31日、カーボンナノチューブ(CNT)開発メンバーが、CNT複合炭素繊維による炭素繊維強化樹脂(CFRP)の軽量化で、近畿化学協会の「環境技術賞」を受賞したと発表した。
CNT複合炭素繊維は、CFRP製品の軽量化による省エネ化や機械装置の負荷低減など、より効率的な材料使用を実現でき、地球環境の改善に繋がる技術として、環境技術賞に値する研究成果であると評価された。
CFRPは軽量高強度材料として、スポーツ用品から航空機の構造材にまで用途が拡大している複合材料。炭素繊維にCNTを複合化した材料でCFRPを製造することにより、強度向上や電導性、熱伝導性などの機能向上が期待されるため、各方面で複合化の研究が進められている。
同社は、分散剤を用いずにCNTを1本1本まで分散する「ナノ分散」技術を開発し、さらに分散したCNTを均一かつ安定的に炭素繊維の表面に付着させることに成功した。これにより、CFRPの持つ「軽くて強い」という特性を、さらに高めることが可能となる。