気球製作所 山田猪三郎創始者が殿堂入り

2016年06月13日

ゴムタイムス社

 国際航空連盟の国際気球委員会が選定する功労者を称える制度で、気球製作所の創始者である山田猪三郎氏が選ばれ、殿堂入りを果たした。
国際気球委員会は、気球飛行船などの軽航空機を統括する唯一の国際機関。

 国際気球委員会では、毎年ノミネートされた候補者の中から生存者1名と故人1名を総会の投票により、その年の殿堂入りを決めている。

 今回3月にスペインで開催された総会で、山田猪三郎氏の殿堂入りが正式に決定された。生存者で殿堂入りしたのは、昨年日本の佐賀からメキシコまでガス気球で横断し、滞空時間と距離の世界記録を樹立したアメリカ人パイロットのトロイブラッドリー氏。

 殿堂入りに際し、アメリカニューメキシコ州にある気球博物館に、山田猪三郎氏のポートレート写真、記念切手、山田式飛行船1号の模型などを資料として贈呈する。

 気球製作所の豊間清社長は、殿堂入りについて「大変名誉なことだと喜んでいる。曾祖父が一人でやったことでなく、皆さんの支えがあったからこそ、このようなアワードを頂くことができた」と感謝の言葉を語った。

 10月に気球博物館で開催される殿堂入りの儀式に豊間社長は出席し、資料を寄贈する予定。

 気球製作所は気象観測用のゴム気球を製造している気球メーカー。同社の歴史は古く、創業は1894年。山田猪三郎氏が高輪で救命浮き輪の製造を開始したのが始まり。1896年に日本式係留気球を製作、1910年に山田式飛行船を発明製作、国内最初の飛行記録を樹立した。

 その後、1915年にはアドバルーンの元祖となる係留気球を利用して空中広告を考案実用化した。197

全文:約773文字

関連キーワード:

技術セミナーのご案内

ゴムタイムス主催セミナー