ブリヂストンは6月10日、経済産業省と東京証券取引所が共同で紹介する「攻めのIT経営銘柄」に、2年連続で選定されたと発表した。
同社は「2015中期経営計画」で、重点課題の一つに「技術/ビジネスモデルのイノベーション」を掲げ、戦略的にIT活用を推進している。製品だけでなく、サービスを含めた様々なソリューションを顧客に提供するビジネスモデルの開発を推進しており、ITを活用した新たな価値を創造することで、顧客の様々な課題解決を図るとともに、持続的・発展的な取引関係を築いていくことを目指している。このような企業価値向上の取り組みが評価された。
同社のITを活用した具体的な取り組みとしては、まず鉱山向けソリューションビジネスがある。鉱山・農業機械向け事業で、従来の商材別の事業展開にとどまらず、複数商品の組み合わせやサービス、ITサポートまで、トータルで提供するもので、グローバルで展開している。
同ビジネスを実現するため、同社では「Bタグ」「モニトリックス」を開発した。Bタグは運行中の建設・鉱山車両用タイヤの空気圧・温度を計測し、情報をリアルタイムで車両の運転手や運行管理者に送信するシステム。モニトリックスは鉱山などで使用されるコンベヤベルトの摩耗状況を、自動で把握できる独自のシステムだ。
また、彦根工場では最新鋭の技術・設備を導入し、IT化や自動化を含めたタイヤ生産ラインの再設計を行うことで、より一層の品質向上と生産効率の改善を図っている。
さらに、安全・安心なモビリティー社会へ貢献していくことを目指し、昨年、路面状態判別技術を実用化した。路面と唯一接しているタイヤから接地面の情報を収集・解析し、路面情報を把握することで、顧客に新たな価値を提供する。同社では今後も、タイヤだけでなく、タイヤに関する情報を分析するシステムの研究開発も進めていく方針だ。