東海カーボンは6月23日、カーボンブラックを製造・販売する中国子会社「東海炭素(天津)」で、事業体質を強化するため生産能力を縮小すると発表した。年内に完了する予定。
東海炭素(天津)は04年4月に設立され、現地に進出したタイヤや自動車ゴム部品メーカー各社のカーボンブラック需要に対応してきた。
しかし、現地での需給ギャップの拡大、市場価格の下落などの急激な環境変化を踏まえ、昨年末には固定資産の減損処理を実施。今年に入っても、東海炭素(天津)を取り巻く経営環境は厳しさを増す一方であることから、業績改善のためには、より踏み込んだ対応が不可欠と判断した。
事業体質強化施策として、現在4系列あるカーボンブラック生産設備のうちの1系列を閉鎖し、生産能力を年産11万tから7万tへ縮小する。これに併せて関連付帯設備の削減なども実施する。
また、付加価値の高い特殊品主体の生産体制に移行することで、安定した需要を取り込み収益力を高める。
東海炭素(天津)は天津経済技術開発区にあり、代表者は室伏信幸董事長(東海カーボン取締役専務執行役員)。資本金は1億4600万米ドル。
なお、今回の件による同社業績への影響については、確定次第速やかに通知するとしている。