信越化学の4~6月期 減収も営業益が16.8%増加

2016年07月27日

ゴムタイムス社

 信越化学工業の2017年3月期第1四半期連結決算は、売上高が3007億1600万円で前年同期比4・2%減、営業利益は600億2700万円で同16・8%増、経常利益は578億3900万円で同5・1%増、四半期純利益は453億900万円で同20・4%増となった。

 塩ビ・化成品事業の塩化ビニルは、米国シンテック社が、拡大の動きが見られた米圏内の需要を着実に取り込むとともに、引き続き世界中の顧客への積極的な販売に努め、出荷は底堅く推移。オランダのシンエツPVC社は安定した操業を続け、出荷は堅調に推移した。

 国内事業は、工場の定期修理による出荷量減少の影響を受けた。この結果、同セグメントの売上高は939億2200万円で同8・7%減、営業利益は132億3800万円で同24・8%増となった。

 シリコーン事業は、国内では化粧品向けや建材向けの出荷が好調に推移した。海外では欧米向けや東南アジア向けの出荷が堅調に推移した。これにより、同セグメントの売上高は454億4300万円で同2・9%減、営業利益は102億4200万円で同0・3%増となった。

 機能性化学品事業のセルロース誘導体は、国内では建材用製品が振るわなかったが、医薬用製品が好調な出荷を継続した。ドイツのSEタイローズ社は、塗料用製品を中心に順調に推移。豪州シムコア社の金属珪素は、出荷が堅調に推移した。

 この結果、同セグメントの売上高は285億100万円で同4・1%減、営業利益は、63億2100万円で同34・0%増となった。

 半導体シリコン事業は、メモリデノ号イス向けが底堅く推移するとともに、ロジックデバイス向けも中国スマートフォン用をはじめ回復基調となった。結果、同セグメントの売上高は、625億3000万円で同0・2%減、営業利益は136億4000万円で同14・7%増となった。

 電子・機能材料事業では、希土類磁石は産業機器向けが振るわなかったが、ハイブリッド車をはじめとする自動車向けが堅調に推移した。フォトレジスト製品は、ArFレジストや多層レジスト材料が底堅く推移し、マスタブランクスは好調な出荷を続けた。

 LED用パッケージ材料や光ファイバー用プリフォームは堅調に推移した。結果、同セグメントの売上高は、469億1200万円で同3・3%減、営業利益は、140億100万円で同13・3%増となった。

 その他関連事業では、信越ポリマー社の自動車用入カデバイスや半導体ウエハー関連容器が堅調に推移。信越エンジニアリング社のエンジニアリング事業も好調だった。

 これにより、同セグメントの売上高は、234億600万円で同0・3%減、営業利益は26億8700万円で同96・7%増となった。

 今回発表となった通期の連結業績予想は、売上高が1兆1800億円で前期比7・8%減、営業利益が2250億円で同7・9%増、経常利益が2300億円で同4・5%増、当期純利益は1600億円で同7・5%増を見込んでいる。

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