独BASFは7月27日、2016年第2四半期の業績を発表した。
同社グループの売上高は前年同期比24%減少し、145億ユーロとなった。この減少の3分の2は、事業ポートフォリオの変更に伴うもの(16%減)。
具体的には、昨年9月末に行ったガスプロムとの資産交換の一環として、ガス取引・貯蔵事業を売却したことが主因である。
また、特に化学品部門での原材料価格の下落が販売価格の引き下げにつながり(7%減)、農業関連製品部門以外のすべての部門が貢献し、販売量の微増(2%増)となった。
化学品・高性能製品・機能性材料の3部門で構成される化学品事業では、販売量が4%増加した。すべての事業本部で為替のマイナス効果が見られている(3%減)。
第2四半期の特別項目控除前営業利益は、好調だった前年同期と比べて3億3600万ユーロ減少し、17億ユーロとなった。
化学品事業は大幅増益だったが、石油・ガス部門による大幅な減益を吸収できなかった。営業利益(EBIT)は前年同期比3億2100万ユーロ減少し、17億ユーロとなった。
純利益は1億7300万ユーロ減の11億ユーロとなった。1株あたりの利益は、前年同期の1・38ユーロに対して1・19ユーロ。特別項目、無形固定資産償却分調整後の1株あたりの利益は1・30ユーロ(2015年第2四半期は1・49ユーロ)。
同社は、今年は大きなリスクを伴う現在の厳しい市場環境が続くと見ており、世界の経済環境に対する予測は従来のまま据え置いた。
GDP成長率は2・3%、世界工業生産の成長率は2・0%、化学品生産の成長率は3・4%、ユーロ/ドルの平均為替レートは1ユーロ=1・10ドル、年間平均ブレント原油価格は1バレル=40ドルと予想している。