デンカの17年3月期第1四半期連結の業績は、売上高が819億8400万円で前年同期比5・7%減、営業利益は42億9500万円で同27・7%減、経常利益は23億6400万円で同59・4%減、親会社株主に帰属する四半期純利益は22億3200万円で同48・9%減となった。
売上高については、販売数量は増加したが、原材料価格の下落に対応した石化関連製品の販売価格の見直しや円高による輸出製品の手取りが減少し、減収となった。
利益については、円高の影響に加え定期修繕の実施に伴う費用増や研究開発費の増加などがあり、営業利益は減益となった。
経常利益は円高の進行に伴う為替差損が発生し、減益となった。
セグメント別では、エラストマー・機能樹脂部門の売上高は353億7800万円、同9・9%の減収だった。
クロロプレンゴムは、円高により手取りは減少したが、青海工場に加え、米国の子会社デンカパフォーマンスエラストマー社が15年11月より第2の生産拠点として事業を開始したことから、販売量が増加し増収となった。
スチレンモノマーやABS樹脂、デンカシンガポールのポリスチレン樹脂等は、原材料価格の下落に応じた販売価格の見直しにより減収となった。
インフラ・ソーシャルソリューション部門の売上高は111億6000万円、同3・0%の減収となった。特殊混和材や農業土木用コルゲート管の販売は概ね前年同期並みとなったが、セメントの国内販売や肥料は販売数量が減少し減収となった。
電子・先端プロダクツ部門の売上高は108億3500万円、同4・0%の減収だった。電子部品・半導体搬送用部材の機能フィルムの販売は前年を上回り、LED用サイアロン蛍光体アロンブライトの販売量も増加した。ただ、電子回路基板は販売量が減少し減収となった。
生活・環境プロダクツ部門の売上高は150億5900万円、同1・5%の増収となった。医薬品では、デンカ生研の試薬の販売は国内、輸出とも前年を上回った。加工製品では、合繊かつら用原糸トヨカロンや耐候性フッ素系アロイフィルムDXフィルムは販売量が増加し増収となったが、食品包材用シートやデンカポリマー株式会社の加工品は販売数量が減少し減収となった。
その他部門の売上高は95億5000万円、同4・9%の減収となった。
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