バンドー化学の2017年3月期第3四半期連結決算は、売上高が218億5000万円で前年同期比9・6%減、営業利益は14億5900万円で同12・9%増、経常利益は12億9100万円で同24・7%減、当期純利益は9億8500万円で同17・8%減となった。
自動車部品事業では、自動車用の補機駆動用伝動ベルトと補機駆動用伝動システム製品については、自動車生産台数が中国やタイで堅調に推移したものの、国内では熊本地震の影響などにより生産台数が減少した。
スクーター用変速ベルトについては、インドとベトナムで市場拡大が続く環境の中、積極的な顧客開拓・市場開拓に注力し、現地通貨ベースでは売上高を伸長させたものの、円高の影響により減収となった。
この結果、自動車部品事業の売上高は100億1900万円で同8・7%減、セグメント利益はナフサ価格の下落に伴う原材料調達価格の低下、原価低減の徹底、海外生産拠点の採算改善を推進したことにより、7億4800万円で同16・5%増となった。
産業資材事業では、一般産業用伝動ベルトは中国とアセアン地域での販売強化により、農業機械用伝動ベルトの販売が増加したが、国内では設備投資需要が低下している影響を受け、産業機械用伝動ベルトの販売が減少し、全体で販売が減少した。
運搬ベルトについては、日本・中国・アセアン地域における積極的な市場開発を進めたことにより、樹脂コンベヤベルト(サンラインベルト)の販売が伸長した。
しかし、資源価格下落に伴う需要減少の影響を受け、鉄鋼用と資源開発用のコンベヤベルトの販売が減少したことにより、全体で販売が減少した。
これらの結果、産業資材事業の売上高は77億7600万円で同12・7%減、セグメント利益は高付加価値製品の販売伸長や原価低減活動の成果などにより5億9100万円で同9・4%増となった。
高機能エラストマー製品事業については、精密機能部品は国内外における同社主要顧客のOA機器メーカーの減産の影響により、クリーニングブレードや高機能ローラなどの販売が減少した。
一方、機能フイルム製品については、積極的な営業活動により、インクジェットプリント用メディア「バンドーグランメッセ」などの装飾表示用フイルム、工業資材用フイルム、建築資材用フイルムの販売が増加したが、同セグメント全体では販売が減少した。
これにより、高機能エラストマー製品事業の売上高は36億3200万円で同6・6%減、セグメント利益は1400万円で同88・4%減となった。
ロボット関連デバイス事業などのその他事業では、設備投資の低迷などにより、売上高は6億700万円で同8・1%減、セグメント利益は7800万円で同29・4%減となった。
通期の連結業績予想は当初見通しから変更なく、売上高が940億円で前期比0・8%増、営業利益は60億円で同0・7%増、経常利益は64億円で同0・6%増、当期純利益は45億円で同2・6%増を見込んでいる。