ブリヂストンは8月31日、竹中工務店と共同で、約30年間建物で継続使用されている同社製の免震ゴムの性能確認試験を行い、長期耐久性を有していることを確認したと発表した。
天然ゴム系積層ゴムの同免震ゴムは1986年に製造され、竹中工務店が設計・施工した初の免震建物である「竹中工務店船橋竹友寮」(千葉県船橋市)で使用されている。今回の試験では、建物に設置されている全14基のうち1基を取り出し、ブリヂストン横浜工場で鉛直・水平方向の基本特性試験と、外観・寸法検査を行った。
約30年経過後の変化は予測範囲内に収まっており、基本的な性能を保持していることが確認され、同社製免震ゴムの高い長期耐久性が実証された。
また、2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震では、船橋市で震度5弱を記録し、この免震ゴムで最大78mmの変形が観測されたが、今回の性能確認試験結果により、地震を経験しても同社製免震ゴムは性能を保持できることが確認できた。今後は、取り出した免震ゴムの内部ゴムの物性を詳細に調査する予定。
両社はこれまで、免震構造技術のより一層の信頼性向上に寄与するため、同建物で使用されている免震ゴムを約10年ごとに取り出して調査してきた。
今回の調査は96年、08年に続き3回目。ブリヂストンでは今後、同データをより良い製品開発、研究に生かしていく。