BASFはこのほど、自動車の内燃エンジン用チャージエアダクト向けポリアミド「ウルトラミッド」の新グレードと、内装用ポリウレタン(PU)システム向けの新たなシミュレーションツールの提供を開始したと発表した。
ウルトラミッドの新グレードは「B3WG6GPX」と「A3W3G7」の2種類。
B3WG6GPXは初期破裂圧力を25%向上するとともに、100℃で4倍もの交互圧力負荷サイクルにも耐えられるようにした。A3W3G7は最高210℃の通常使用でも、非常に優れた機械特性を示すことが特長だ。
同社はチャージエアダクトの様々な耐熱要件に対応できるポリアミドを提供しており、製品ラインはガラス繊維含有量30~50%のPA6グレード、PA66グレード、PA66/6グレードで構成されている。
新製品のB3WG6GPXは、ガラス繊維含有量30%のPAグレード。耐熱性は最大180℃、短時間では200℃になる。破裂圧力と溶接強度に優れていることから、複数のパーツから成るエアインテークマニホールドに適している。
このシリーズでは、180℃から210℃の温度帯向けには熱安定性を強化したPA66プラスチックを提供している。新製品の3W3G7は210℃以下の場合に使用するもので、190℃以下ではガラス繊維強化30~50%の「ウルトラミッドA3W2G6」~「A3W2G10」を使用する。
ちなみに、最高レベルの耐熱性需要には特殊ポリアミドの「ウルトラミッド・インデュア」が適している。通常時で220℃、最大240℃の耐熱性がある。
また、ウルトラミッド・インデュアの35%ガラス繊維強化のグレード「D3G7」と、50%ガラス繊維強化の「D3G10」は、射出成形に適している。特に、ターボチャージャー付きディーゼルエンジンのエアインテークマニホールドとレゾネーター、センサー用途に向いている。
一方、内装用PUシステム向けの新たなシミュレーションツールは、すでにウルトラミッドで使われていたものを、PUでも使えるようにしたものだ。
オープンモールドとクローズドモールド両方の金型で、発泡中のPUシステムの挙動を確実に予測できる。これにより、半硬化システムを使うインストルメントパネルの開発と製造に要する時間が短縮され、コスト削減が可能になる。