アジア最大級の分析機器・科学機器専門展示会「JASIS2016」が9月7~9日、千葉市の幕張メッセで開催された。主催は日本分析機器工業会と日本科学機器協会。
分析展と科学機器展の合同展の統一名称となって5回目となる今年は、過去最多の504社が出展して最新の分析機器・科学機器の展示を行ったほか、新技術説明会やカンファレンスなど400以上のセミナーが開催された。
◇NOK
ライフサイエンス向けパッキンを紹介
NOKはオイルシールで国内シェア・ナンバーワンの技術を生かして開発した、ライフサイエンス向けのマイクロプレート用パッキンやシリンジ用パッキンなどを紹介した。
マイクロプレート用パッキンは従来品に比べ、マイクロプレートのウェル(くぼみ)に入れた培養液を確実にシールすることにより、高精度で分析できるのが特徴。
一方、シリンジ用パッキンも流体を簡単・確実にシールすることで、検査などの精度が向上する。
さらにこうしたパッキン向けシール技術を市販の分注システムに組み合わせて利用することにより、マイクロ流体デバイスへの分注操作の全自動化が可能になるという。
技術的には非常に高いものの、分析機器の分野では同社の知名度はいま一つなので、同社の担当者は「マーケティングを目的に出展した」と語っていた。
◇東ソー
液体クロマトグラフィー使った分析を提案
東ソーは液体クロマトグラフィーを使った分析の提案を行った。
展示したのは高速液体クロマトグラフ(HPLC)、高速イオンクロマトグラフ(IC)、高速GPC装置、超高温GPC装置、HPLC用カラムなど。
新製品としては、耐アルカリ型プロテインAアフィニティークロマトグラフィー用充填剤の「高吸着型プロテインAゲル」と「高流速型プロテインAゲル」を紹介した。
高吸着型プロテインAゲルは滞留時間5分で、市販品に比べ吸着量が70g/Lで30%向上。抗体試料濃度が高い場合でも、高い吸着量を維持する。
高流速型プロテインAゲルは、滞留時間1分の高流速で吸着量が25g/L以上、ゲルが固くカラム高さ30cmでも高流速で使用可能なことが特徴だ。
◇昭和電工
ポリマー系超迅速GPCカラムなど新製品を展示
昭和電工はいずれも新製品である「ポリマー系超迅速GPCカラム」「抗体タンパク質分析に適したSECカラム」と、2種類の「HILICカラム」を中心に展示を行った。
ポリマー系超迅速GPCカラムは、充填剤の粒径を小さく均一に制御したことで、同範囲の分子量分析ができる既存カラムに比べ、分析時間を6分の1に短縮。有機溶媒の使用量も6分の1に削減した。
抗体たんぱく質分析に適したSECカラムは、インシュリン分析などで好評を得ている既存カラムを改良したもので、独自の充填剤の表面修飾技術により、凝集体のうち、特に単量体と二量体の分離度を向上させている。
一方、HILICカラムについては、オリゴ糖の高感度分析に適した「VN―50」と、カチオン性生体化合物の高感度分析を可能とした「VC―50」を紹介していた。
◇朝日ラバー
最新の採用製品で「分子接着・接合技術」をPR
朝日ラバーはシリコーンゴムと他の素材を、接着剤を使わずに化学結合で強固に接着・積層する「分子接着・接合技術」を紹介した。
同技術により、マイクロメートルオーダーの微細加工を施した流路をつぶすことなく接着することができる上、流路内への試薬の封止も可能になる。
すでにNECのポータブル型DNA解析装置、ICタグなどに採用されているが、今回は新たに採用された、岩手大学発ベンチャー「アイカムス・ラボ」が開発した細胞培養液を自動交換する装置も展示して、同技術をPRしていた。
◇三洋貿易
画像解析式レオメータなど