クラレは9月13日、タイのPTT・グローバル・ケミカル・パブリック・カンパニー(以下「PTTGC」)、住友商事と共同で、タイにおけるブタジエン誘導品の製造販売事業に関する詳細検討を進めるための合意書を、同日締結したと発表した。
3社は、2015年9月に覚書を締結し、タイでのブタジエン誘導品事業の協業可能性を検討してきたが、この度、同合意書を締結して生産設備の基本設計を含む詳細検討を開始する。3社による当該合弁事業に係る最終投資判断は、2017年後半を予定している。同合弁事業は最終投資判断に加え、出資比率等の詳細についても検討段階。
同製造拠点はタイのラヨン県マプタプット、石油化学コンプレックス内のヘマラ・イースタン工業団地を候補地として、2020年に高耐熱性ポリアミド樹脂PA9T(生産能力1万3000t/年)、水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーHSBC(生産能力1万6000t/年)の設備稼働開始を目標に、詳細事業化調査(フィージビリティ・スタディ、以下「F/S」)を進めていく。主な原料となるブタジエンは、同工業団地内のPTTGCから供給を受ける予定。
また、同ブタジエン誘導品の製造拠点と同じ敷地内に、クラレ単独によるイソブチレン誘導品MPD(3―メチル―1,5―ペンタンジオール)(生産能力5000t/年)の生産設備建設の検討も行い、2017年後半に最終投資判断を予定している。2020年の設備稼働開始を目標にF/Sを進めていく。主な原料となるイソブチレンは、同工業団地内のPTTGCから供給を受ける予定。
PTTグループから競争力のある原料、及びユーティリティの供給と、住友商事のマーケティングチャネルを融合し、クラレが有する同製品の製造技術、販売マーケティングノウハウを組み合わせ、ブタジエン、イソブチレン誘導品事業のグローバルでの拡大に向けて検討を進めていく方針。