東洋ゴム工業は9月14日、新しいジャンルの軽自動車専用タイヤ「オープンカントリーR/T」を新たに開発し、10月1日から全国で発売すると発表した。
クロスカントリー・ビークル(SUV/CUV)タイプ向けで、価格はオープン。 軽自動車の車両特長を踏まえ、オフロードでのトラクション性能と、オンロード走行に求められる耐摩耗性能や走行安定性を高い次元で両立させた。
国内の軽自動車市場では広い車内空間を確保し、居住性の良さを訴求した「スーパーハイトワゴン」と呼ばれる車両が人気を集め、ショッピングなど日常の街乗りでの快適性が評価されている。
また、起伏のある林道などオフロードが楽しめる、アウトドア・イメージを前面に押し出したSUV/CUVタイプの軽自動車も相次いで発売され、人気が高まっている。
同社では、アウトドアでのオフロード走行を楽しむ軽自動車ユーザーが増加していることに着目し、これらSUV/CUVタイプの軽自動車専用タイヤの提案型新商品として、新製品を開発した。
泥濘地や雪道などオフロードでの走破性を重視するユーザーには、地面にパワーを伝える能力(トラクション性能)に優れた「マッド・テレイン(M/T:泥濘地用)タイプ」のタイヤを、オンロード中心でありながら、オフロードとのバランスも重視するユーザーには「オール・テレイン(A/T:全天候型)タイプ」のタイヤを提案している。
今回のR/Tはラッジド・テレインの略で「でこぼこのある」「ごつごつした」「起伏のある」地形や、路面に対する特化性能を持つことを意味しており、マッド・テレインタイプとオール・テレインタイプとの中間を充足する全く新しいジャンルのタイヤといえる。
タイヤのショルダー(両端)部は、アグレッシブなパターンデザインによってオフロード性能を確保。トレッドのセンター部にはオンロード走行を考慮したパターンデザインを採用し、それぞれの特性を発揮する「ハイブリッドデザイン」が特長となっている。
同社はこれまで、オフロードを楽しむユーザー向けに四駆専用タイヤを提供し、軽自動車ユーザーも利用できるサイズ(15、16インチ)を一部ラインナップしていたが、新製品はSUV/CUVタイプの軽自動車ユーザー専用として提案していく製品となる。
軽自動車の小型の躯体でも存在感ある独特の商品デザインは、アウトドア派のアクティブなカーユーザーの趣向をも満たすもの。
同社は独自の技術をベースにしたSUV/CUV用タイヤカテゴリーの展開で存在感を示している。特に、北米市場での大型SUV/ピックアップトラック向けタイヤ「オープンカントリー」シリーズは、トーヨータイヤの代名詞として、その製品性能とデザイン性が高い評価を得ている。
業界に先駆け、新しいジャンルとして開拓するオープンカントリーR/Tを皮切りに、国内市場でもオープンカントリー・シリーズを、市場導入していく予定だ。